Just Because! / 鴨志田一

 

 素直じゃなくて、拗らせて、面倒くさくて、でも真っ直ぐな高校生たちの恋模様。この原作小説を読んでアニメも全話見たのですが、泉と夏目に焦点を当てて内面描写多めの小説、相馬と森川の関係を含めて群像劇として描くアニメ共に素晴らしかったです。

卒業3ヶ月前に地元の高校へ戻ってきた泉。旧友と、想い人との再会。片想いが連鎖する恋模様は、押せ押せな感じではなくて、もどかしくて切ない感じ。5人の交流が表面化させたのは隠し通すはずだった拗らせきった片想いで、抱え込みながら、抱えきれないそれは本当に面倒くさいな君たちという感じですが、彼ら彼女らは一人として性格が悪かったり嫌な子だったりする訳ではないので、前向きな気持で読むことができます。

受験に推薦、初詣、野球、部活動にLINEのグループ。ちょっとしたトラブルも含めて、実在の街で描かれるのは高校生らしい出来事。その中でそれぞれの気持ちが、少しずつ、ある時は思いがけず動いて関係性が変わっていく、そのさじ加減が絶妙で、流石に青春ものに定評のある作者だなと思いました。特に夏目が相馬への気持ちに整理をつけてからの、小宮の先輩をデートに誘ってもいい? からの「ダメ」はすごいキレだったなあと。口ごもるのでも、流すのでもなく、思わず出たダメってまた。この辺り、エピソード追加もされていたアニメ版も毎回の引きが強烈で面白かったです。

それから、もう明らかに負けヒロインとして登場しているのに、泉に一番まっすぐに恋をしていた小宮さん。本当に良い子で、なんで幸せになれないんだろうと思うのですが、ただこの子も夏目を好きな泉が好きで、負けると分かっているからこそあんなにまっすぐに動けていたような感じもあって、それはそれで拗らせていたんだろうなあと。

「だって、そういうえーた先輩を、私は好きになったんじゃん」

負けヒロインの台詞として、これ以上に切なく、美しいものはないって思います。

そんな感じのほろ苦くてだだ甘な青春恋愛小説。あと人生二回分くらい徳を積んだら、来世の来世のその次辺りでこんな青春送ってみられるのだろうかと思いつつ、堪能しました。

2017年に触れた10の沼

最近、距離を取っていようが、こちらから近づこうが、気がついた時にすぐ側にあるのが沼だということが分かってきました。沼は事故。

ということで、去年から引き続きのものも、思いがけず沈んだものも、今まさに触れたところのものも含めて、今年の10の沼を。

 

1.HiGH&LOW

HiGH & LOW THE MOVIE(通常盤) [DVD]

HiGH & LOW THE MOVIE(通常盤) [DVD]

 

何もかもが想定外だったんですけど、気がついたら落ちていましたね、ハイロー。まさに今年最大の大事故。EXILEというかLDHと関わりのない人生を歩んでいる気がしていたんですが、本当に世の中何が起きるかわからないしぶっちゃけ今も分かっていないので、可能性を捨てることが人生を狭くするのだと実感しております。

事の起こりはTLのオタク近辺にじわじわと勢力を拡大していたハイロー勢が、一様に何がキメたとしか思えないようなハマり方をしていて、これ知ってるよキンプリとかで見たやつじゃんと思っていた夏の終わりのこと。そして丁度公開されたTHE MOVIE2を見に行って、これ……面白いぞ……? と思って気がついたらドラマシーズン1、シーズン2、MOVIE1、RED RAINと見ていそいそとMOVIE3公開を待っていましたね。怖い。

いやほんと、俺が考えた最高に燃えるシーンと最高にかっこいいアクションと最高の関係性みたいなのが、ものすごい勢いと金のかかった映像とLDHの人々の高い身体能力と顔の良さで迫ってくるんですよ。完全にジャンプの実写みたいな、そんなノリで、勢力紹介とチームごとのテーマソングだけでもうね。達磨一家最後まで何だかよくわかんなかったけど滅茶苦茶格好いい……。そして細かいことは気にしないでいいと思ってたんですけど、それ回収するか!! みたいな美しい伏線回収がMOVIE3で決まったので(大量の突っ込みどころは残りつつ)完敗ですね。スモーキーがもうマジね……RUDEの子たちがね......。

とりあえず、ガルパンとかラブライブとかのノリが好きな人は見るといいと思います。魂はだいたい一緒だ。つまりここのところのオタクが大好きなやつだ。

HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY - FULL MOON PRAYER

HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION - FULL MOON PRAYER

 

2.貴族探偵

貴族探偵 Blu-ray BOX

貴族探偵 Blu-ray BOX

 

 お前来年嵐の相葉くんが主演の月9ドラマにハマるよって去年言われたら一笑に付してたと思うんですけど、なんか麻耶雄嵩が月9でドラマ化というそれ自体がウルトラCみたいな現象が起きて、しかもそれが最高の出来だったらやぶさかではないですよね。相葉くんの貴族さま、大変お美しゅうございました。

ということで、まさかの麻耶雄嵩月9。原作を大幅改編で2冊分通じて女探偵を主役に仕立て、オリキャラ大量投入にトリックまで改変した上でドラマに横串のストーリーを通すという、普通に考えたら原作ファン的にはお通夜になることを原作ファンの熱狂に変えたスタッフの手腕がもうほんと素晴らしかったです。だってもう1話見た時点でだいぶ改変されてるのに、あまりにも麻耶みが高くて狼狽したからね、これ。

その後もシーズン通した大トリックまで期待を裏切らずに、麻耶ミステリっぽさをドラマで体現してくれる最高の出来でした。特に映像化不可能と言われた「こうもり」を、映像化不可能であることと原作改変ありなことを逆手に取って、既読者こそを混乱のるつぼに叩き落とすあの構成、TV放送という媒体まで含めて完璧にハマっていて、神がかっていたと思います。

ありがとうスタッフありがとうメルカトルもドラマ化してくれ

 

3.プリンセス・プリンシパル

 劇伴が梶浦由記で、梶浦さんがとにかくシナリオが面白いと放送前から大プッシュしていたのでかなり期待値高めで待っていたオリジナルアニメだったのですが、高い期待値すら軽々と超えてきて、これ好き……ってなりました。ほんと趣味。

壁に分断された霧の街ロンドンを舞台にした少女スパイたちのアクションもの、そしてスチームパンク。1話でのケイバーライトを使った大アクションに、スパイの「嘘」をテーマに苦味の残るストーリー、そして鳴り響く梶浦サウンドでもうこれはと思っていたのですが、本当にハマったのは2話。時系列を遡ってのプリンセスとの出会いの話。

プリンセスの得体のしれなさ、アンジェとの過去の謎でこの時点で相当面白かったのですが、二人の過去が明かされた後に見返すとまたね、これがね、全然違うんですよ......。壁に引き裂かれた訳ありの2人が、あそこで姫とスパイとして再会して何を思ったのか。そしてプリンセスの過去を踏まえて発売されたキャラソンを聞くともう。

仲間同士でも嘘を抱えながら少女たちの間に芽生えた絆に、これは絶対に誰か死ぬんだろうと思わせるビターな展開が終盤に向けて加速する中でも、もうご都合でかまわないから生きてくれと思わさせられるくらいに、気がつけば思い入れを持っていました。

ラストは2人の物語としては綺麗に終わっていて、2期でこれ以上のものが見られるとは思わないけれど、でも2期が見たい……というこの悩ましい感じ。とりあえずブルーレイをマラソンしながら待っています。

 

4.アイドルマスター シンデレラガールズ

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER EVERMORE

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER EVERMORE

 

 アイマスはミリオンもSideMも好きで、CDは聞いているしライブにも行くのですが、ただ私が好きなのはシンデレラなんだなと改めて思った今年でした。正直全部は追いきれてなくて、どのキャラがとか、どの曲がということでもなくて、それでもシンデレラガールズというコンテンツを推しているこの感じ。

今年は初めてのライブツアーを駆け抜けていったことが印象的でした。シンデレラガールズのライブという型が、どこの場所でも、誰が出演者でも実現できる完成形に到達したという感じのツアーで、更にあそこに色々付け足したり、新しい試みが披露されたりするだろう次のライブも楽しみです。

あと、デレステを多少回してもいいと思いながら遊んでいたら、課金額がちょっとびっくりしたので反省はしたい。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! 宮城1日目5/13 @ LV - FULL MOON PRAYER

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! - FULL MOON PRAYER

 

5.大橋彩香

 相変わらず、ふーたそ!(飼い猫)、ペペロン!、イケメン!(二次元)と叫んでいるうちの推しですが、今年は確かな成長を見せながら、本当に楽しそうに仕事していたなあというのが、最大にして最高の良かったことだったなと思います。役者としてアーティスト活動をすることが明確に形として見えてきた1stツアー。今年も主役を幾つかもらっていたアニメへの出演。私は見れなかったのですが朗読ライブもあり、引き続きのラジオも新たに始まった一人喋りラジオもありで、きっと充実していたんだろうなあと。

そしてバンドリの武道館。センターステージだったので丁度ドラムを叩いている背中が見える位置にいて、ああなんて頼もしく、なんて尊いんだ……と。

大橋彩香 1stワンマンライブTOUR2017 OVERSTEP!! 3/5 @ 豊洲PIT - FULL MOON PRAYER

BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館 8/21 - FULL MOON PRAYER

 

6.Linked Horizon

進撃の軌跡(CD+Blu-ray)

進撃の軌跡(CD+Blu-ray)

 

 あらゆる意味で作品愛が重すぎる二次創作アルバムをリリースし、サンホラを含めても過去最大規模の全国ツアーで、後ろにアニメ映像を背負いながら歌、なんなら本人と作品キャラのコラボグッズが生まれるという、進撃の巨人オタクの到達した極地みたいなことを全て公式としてやっていた今年のRevo団長。

作品のキャラクターをフィーチャーした楽曲群も素晴らしかったのですが、最新話を連載で読んで、来るアニメ二期のエレンへ掛ける言葉を探すという同人誌の前書きか後書きみたいな「二ヶ月後の君へ」が最高でした。勢い余ってこの先のアニメがどうなるかも、ましてやタイアップなんてどうなるかわからないままに「燃え尽きるその軌跡は僕が全て必ず詩にする」って歌ってるのがもうね……。

 

7.魔法陣グルグル

 長く生きていると良いこともあるんだなとしみじみ感じたグルグル3回目のアニメ化。小学生の頃に初めて自分で買ったマンガが、まさか2期から17年、1期からは23年越しにアニメ化されて、原作の最後まで見られるなんてそんなもう感謝しかないですよね……。しかもこれが素晴らしい出来で。

2クールで原作全部を消化しようとして、かなり駆け足だったりカットされていたりはするのですが、グルグルらしいアニメになっていたし、本当に今見ても面白くって最高でした。ありがとう世界。ありがとうスタッフ。捨てたもんじゃないな人生

あと、当時から今に至るまでジュジュが好きなことがぶれていなかったので、三つ子の魂は本当に百まで行くものなんだなと深く納得した次第です。

 

8.西澤幸奏

Break Your Fate (DVD付初回限定盤)

Break Your Fate (DVD付初回限定盤)

 

 ロック路線! ギター少女! めっちゃいいじゃん!! と思っていた去年から、今年放たれた1stアルバムが予想を遥かに超えてゴリゴリのロックだったからもうテンションが弾けましたよね。本当にいいアルバムでした。「Break Your Fate」→「Shark」→「Gemini」の頭3曲でブチ上がる未来しか見えないところに、1stライブもこの曲順でやってくれてもう最高でした。あと前がモッシュで大変なことになっていようが煽り続けるのすごいなって。

あとは、鈴木このみと「空色デイズ」をカバーしたアニサマだとか、ANIMAXの「青空のナミダ」とか、AnisonDaysの「遥か彼方」とか、ギターかき鳴らしながらのカバー曲が結構好きです。まだまだこれからな部分も多いので、この先がますます楽しみ。

西沢幸奏 1st LIVE "Break Your Fate" 4/30 @ 赤坂BLITZ - FULL MOON PRAYER

 

9.Kalafina

Kalafina Arena LIVE 2016 at 日本武道館 [Blu-ray]

Kalafina Arena LIVE 2016 at 日本武道館 [Blu-ray]

 

 ここ数年の挑戦が花開いた9周年だったなあと思います。ちょっとイベントが重なって行けなかったツアーのブルーレイを見ても思ったのですが、普段よりも自由にできる部分が多いアコースティックライブの方でそれが爆発していた感じ。

元々のプロジェクトとしての出発点でもあった梶浦由記がつくるKalafinaの音楽世界の1つのパートから、この3人が歌で表現をするユニットへ。オペラシティで聞いたアコースティック、歌の迫力に圧倒されました。デビュー時からずっと追いかけてきたけれど、もしかしてこの人たちはとんでもないユニットになったのではと、思うくらいに。

Kalafina Acoustic Tour 2017 ~"+ONE" with Strings~ 12/3 @ 東京オペラシティコンサートホール - FULL MOON PRAYER

 

10.ヒプノシスマイク

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-

 

 声だけで表現をする声優と、言葉で表現をする日本語ラップ。どう考えても相性は悪くないのに、なんで誰もその組み合わせに気が付かなかったんだろうという企画。

作り手側の前のめりな感じと本気なクオリティの楽曲、そしてラップ×声優という新しい組み合わせがまだ見ぬ何かを生み出しそうな感じ、これ今追いかけると絶対楽しいやつだという気配が滅茶苦茶漂っています。

今のところ新宿が好きです。あのCDの3曲本当に中毒性がある……。

 

その他

本とマンガは別エントリで上10個以外に今年印象的だったものとかを。

ライブ/イベント

ちょっと待ってこれ凄いぞとなったのは横アリのワルキューレ。生バンドであの難しい楽曲を踊りながらハモるのはびっくりしました。本当に良いライブだった。JUNNAとダブルエースを張っていた鈴木みのりのソロ活動も期待しています。シンデレラにも来ましたし。

あと今年はアニサマがめちゃくちゃ楽しかったです。特に1日目が最高でした。やっぱりアニサマなんだなと。フェス系だとリスアニのLiSAとKalafinaのツーマンが流石! という感じのライブで素晴らしかった。それから相変わらず死にそうに楽しいZAQとか、SideMの幕張も気持ちの見えるライブで大変良かったです。

あとはカラオケMAXという声優がカラオケをするイベントがあんなに楽しいとは思わなかった。特にとっとさんのデーモン閣下と一人テニミュ、最高でした。そうかこういうイベントもありなんだなあと。

音楽

さユりの「ミカヅキの航海」が最高でした。あの息詰まるような感じと見える若さ。吐き出すように、訴えかけるように、ギターを抱えて歌うの、好きです。ドームシティのライブも良かった。

岸田教団の「LIVE YOUR LIFE」は岸田教団にこんなの持ってこられたらもうねという「LIVE OUR LIFE」が本当に、噛みしめるほどに良い曲で……。

あとはOLDCODEXの「they go, Where」がラウドさとキャッチーさのバランスが凄く取れていて好き。内田彩「ICECREAM GIRL」、TrySail「TAILWIND」も良かったです。

曲ではバンドリポピパの「Time Lapse」「夏のドーン!」がガールズバンドの好きなやつはこれ!! という感じでたいへんよろしかったです。キャラソンだとミリオンの「Sweet Sweet Soul」のかわいい×ラップもすごい好き。あとは、思わず息を呑むようなAimerの「花の唄」や、竹内まりや曲を完全に歌いこなしていた早見沙織「夢の果てまで」、出す曲出す曲ハイクオリティだったfhanaの「青空のラプソディ」の開放感も良かったです。それと、相坂優歌のちょっと外れたところでツボを抑えてくる感じに、来年発売のアルバムとても期待していたり。

あとは、TV放送でキントリをみて生バンドの小倉唯の破壊力がヤバいことに気がついた今年でもありました。カラオケだとお人形みたいな印象があったのですが、生バンドだと最高のバランスで色づいてくるのヤバいなと。「ガーリッシュエイジ」が素晴らしすぎたのでみんな一度見てみてください。

アニメ/映画

アニメはラブライブサンシャインの二期が、μ'sを追いかけて始まった高海千歌aqoursの物語を、完全に自分たちの物語にしていく作品になっていて素晴らしかったです。廃校が決まって、そこからラブライブに優勝して名を刻もうとなっていく流れも熱かった。

SideMのアニメは本当に丁寧に上品に作られていて、突き抜けるような破壊力はないけれど素晴らしいアニメ化だったなと。少女終末旅行は静かに終わっている終末世界で、一見穏やかな二人旅の向こうに見える「絶望と仲良くする」感じがとても好み。マンガでも取り上げた小林さんちのメイドラゴンや、メイドインアビスも良かったし、もう圧倒的に頭が悪くて最高だった「アイドル事変」も毎週楽しかったです。

映画ではやはりキンプリの続編であるキンプラが、あの勢いで駆け抜けていって最高でした。人が王になる瞬間を我々は見てしまった。あとガルパンの最終章もまだ1話ですが相変わらずな感じで面白かったです。それからローグ・ワンスターウォーズEp.4直前を描いた物語としてこれ以上にない最高の映画でした。めっちゃ良かった。そしてEp.8については私の中で限りなくナシに近い審議中です……。

スポーツ

F1は今年こそ行けるぞフェラーリ! から、夏すぎての「Vやねん! フェラーリ!!」までの流れがなんともはや。お家芸の内部のゴタゴタまで出てきて、来年大丈夫かなと。そして大丈夫ではなかったマクラーレン・ホンダはドタバタの末に離婚が成立して来年はマクラーレンルノートロ・ロッソ・ホンダに。まあ来年はシャーシはトップレベルと豪語し続けてきた真価を見せてもらいましょうという感じで。

あとインディ500佐藤琢磨の優勝は本当に良かった。まさかインディ500で日本人が勝つのを生きているうちに見られるとは思っていませんでした。感動。

プロレスは相変わらず新日本を見ていて、オカダvsケニーがやっぱり凄かったなあと。G1は内藤が勝つべくして勝ちましたが、スーパーJr、タッグリーグといいバラエティ豊かな選手が見れてついつい全部見てしまいます。マーティ・スカルがめっちゃ好き。あとはヤングライオンもどんどん出てきて、新日は黄金時代になりつつあるのかなとか。

阪神は戦力にしてみれば頑張ったように思いますが、良かった所もあれえと思うところもある一年でした。中継ぎ陣の充実は本当に素晴らしかったです。若手が出てきているようでもう一つブレイクしきれていない今の状況、来年こそは打ち破っていかないと流石に福留、鳥谷、糸井、メッセ任せではそろそろ厳しかろうという気も。

2017年の7作(マンガ)

小説に続いてこちらはマンガの7作品。なんだかんだアニメ化作品に手を出すことが増えている気が。

 

1518! イチゴーイチハチ!  / 相田裕

1518! イチゴーイチハチ! 4 (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ! 4 (ビッグコミックス)

 

「夢を諦めるところからはじまる物語」という通り、もう終わってしまった後の、きらきらと輝く表舞台ではないけれど、彼ら彼女らにとってはかけがえのない特別な時間を生きる、青春物語。本当に素敵な作品です。

1518! イチゴーイチハチ! 3 / 相田裕 - FULL MOON PRAYER

1518!イチゴーイチハチ! 4 / 相田裕 - FULL MOON PRAYER

 

空電ノイズの姫君 / 冬目景

 音楽をテーマにお届けする、最高の冬目景各種詰め合わせといった趣の一冊。まだ1巻で始まったばかりですが、ほんとこれこの先もめっちゃ楽しみです。

空電ノイズの姫君 1 / 冬目景 - FULL MOON PRAYER

 

虚構推理 / 城平京・片瀬茶柴

虚構推理(6) (月刊少年マガジンコミックス)

虚構推理(6) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 ありがとうこのビジュアル化が難しそうな作品の最高のコミカライズ! そしてありがとうもう読めるなんて思っていなかった続編!! もうただ圧倒的感謝。そしてあとはアニメ化待ってるよ!!!

虚構推理 6 / 城平京・片瀬茶柴 - FULL MOON PRAYER

虚構推理 7 / 城平京・片瀬茶柴 - FULL MOON PRAYER

 

小林さんちのメイドラゴン / クール教信者

 なんだか色々あった後の余白みたいな、はみ出した場所で全く違う種族の2人が、それが自然な感じに寄り合うような、そういうのめっちゃ趣味なんですよ。ああ、ダメだ、好みだ.....ってなります、これ。

小林さんちのメイドラゴン 1~5 / クール教信者 - FULL MOON PRAYER

小林さんちのメイドラゴン 6 / クール教信者 - FULL MOON PRAYER

 

進撃の巨人 / 諌山創

 ここまでの全てが、一つに繋がる第1部完な趣の22巻。アニメ2期が丁度このあとに始まったのですが、これを知ってから見ると読んだ当時とは全く見え方が違ってくるのが凄いと思いました。

進撃の巨人 22 / 諫山創 - FULL MOON PRAYER

 

メイドインアビスつくしあきひと

メイドインアビス 6 (バンブーコミックス)
 

 アビスという大穴の底を目指す少年少女の冒険物語ですが、とにかくエグい。キツい。けれどその絵に、ストーリーに、キャラクターにグイグイと引き込まれます。よくもまあこれをTVアニメでと思いましたが、アニメ化以降の話がまた更に凄まじいことになっていました。そしてアニメ続編って本気か……。

メイドインアビス 1-6 / つくしあきひと - FULL MOON PRAYER

 

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149 / 升之

 シンデレラガールズの子供組を中心に据えたこの作品は、本当に丁寧で愛に溢れた最高のコミカライズだと思います。年相応な姿と、彼女たちそれぞれに頑張っている姿、そんな彼女たちを見て頑張るプロデューサーの姿。ああこれが尊さ......と。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149 1 / バンダイナムコエンターテインメント・升之 - FULL MOON PRAYER

 

2017年の7作(小説)

去年比では割と読んでいたような気がする今年。読了本から面白かった小説を7冊。

 

ストライクフォール / 長谷敏司

ストライクフォール3 (ガガガ文庫)

ストライクフォール3 (ガガガ文庫)

 

 ルール化された戦争としてのストライクフォールを印象付けた2巻と、スポーツとしてのストライクフォールを描ききった3巻。特に3巻の熱さが半端なかったです。この作品以外では全く知らない架空競技で、その競技の歴史が変わる瞬間の目撃者になることにこれほど興奮できるとは。読んでいる間、私は確かにシルバーハンズのファンで、何よりストライクフォールのファンでした。

ストライクフォール 2 / 長谷敏司 - FULL MOON PRAYER

ストライクフォール3 / 長谷敏司 - FULL MOON PRAYER

 

キッズファイヤー・ドットコム / 海猫沢めろん

キッズファイヤー・ドットコム

キッズファイヤー・ドットコム

 

 ホスト+子育て+クラウドファンディング+炎上。高速で繰り出されるホスト文体と飛び道具的な組み合わせの話の先に試されるのは読み手の常識と先入観。時代に投げかけられた、鋭利かつ鮮烈な一冊だと思います。

キッズファイヤー・ドットコム / 海猫沢めろん - FULL MOON PRAYER

 

正解するマド / 乙野四方字

正解するマド (ハヤカワ文庫JA)
 

 ファーストコンタクトSFに見せかけた創造者/被創造者の物語だったアニメ「正解するカド」の、小説という媒体における完璧なる再構築。私小説に見せかけた、過剰なまでにキレッキレのメタフィクション小説。傑作だと思います。

正解するマド / 乙野四方字 - FULL MOON PRAYER

 

じごくゆきっ / 桜庭一樹

じごくゆきっ

じごくゆきっ

 

 読んでいて文章に呑まれそうになるような、桜庭一樹をぎゅっと濃縮したような短編集。どれも桜庭一樹やっぱり凄いと思わさせられるような作品でしたが、「ロボトミー」が本当に凄かった。

じごくゆきっ / 桜庭一樹 - FULL MOON PRAYER

 

86 / 安里アサト

 1巻のラストシーンへの流れがもう反則級に素晴らしかったです。そんなんもう好きやん……ってなる。小説的には相当粗いと思うのですが、それだけに描きたいものとそこにこめた想いが、これでもかというくらいに伝わってくる作品でした。

86 ―エイティシックス― / 安里アサト - FULL MOON PRAYER

86 ―エイティシックス― 3 ラン・スルー・ザ・バトルフロント 下 - FULL MOON PRAYER

 

ここからは、今年発売の本ではないですが良かったものを2冊。

 

隻眼の少女 / 麻耶雄嵩

隻眼の少女 (文春文庫)

隻眼の少女 (文春文庫)

 

 ほんと麻耶雄嵩マジ麻耶雄嵩と言うと感想が終わるのですが、いやでもうやっぱ麻耶雄嵩でしょこんなのっていう、探偵の在り方にテーマを置いた一冊。隻眼毒舌ツンデレ美少女探偵というお前アニメでも盛り過ぎだぞみたいな子がヒロインなので、みんな軽い気持ちで読むと良いですよ。なお読み終えて壁に投げても責任は取れないのであしからず。

隻眼の少女 / 麻耶雄嵩 - FULL MOON PRAYER

 

ギンカムロ / 美奈川護

ギンカムロ (集英社文庫)

ギンカムロ (集英社文庫)

 

 夜空いっぱいに花開く大輪の花火とそれを見上げる職人の姿が頭の中に映し出されて、思わず花火を見に行きたくなる、本当に素敵な小説でした。美しい花火だった。

ギンカムロ / 美奈川護 - FULL MOON PRAYER

 

12月のライブ/イベント感想

12/3 Kalafina Acoustic Tour 2017 ~"+ONE" with Strings~ 12/3 @ 東京オペラシティコンサートホール

感想は以下のエントリで。

 

12/8 ZAQ LIVE 2017「KURUIZAQ ver.2017」@ 吉祥寺SEATA

BRAVER

BRAVER

 

 ZAQのライブは本当に楽しいな!! っていうライブでした。曲調は色とりどりですがとにかくキャッチーで速い曲を叩き込んでくるセトリが死にそうになるけど楽しいです。バンド含めた安定感と高揚感。やっぱりすごい好きだなと思います。次のライブも行かなくちゃ。

 

12/10 SEASIDE LIVE FES 2017~RAINBOW~ @ 舞浜アンフィシアター

シーサイドのイベントは、別にシーサイド所属というわけではないのに、いつ見ても出演声優陣にも、スタッフや観客まで含めたイベント全体にもファミリー感があって、それが凄く良いなと思います。それがシーサイドのイベントの味なんだなと。

 

12/28 COUNTDOWN JAPAN 1718

ロックフェスのタイムテーブルから好きなバンドを見に行って、前のバンドと入れ替わりの時に雑に前の方まで来れちゃったりする感じとか、あとの時間はベンチでぐったりしていたり、何か食べてたりできる感じとか、あの緩さと会場のお祭り感、すごく好きなんですよね。そしてCDJは屋内フェスなので日差しや暑さ寒さに体力を持っていかれず、ちょいちょいアニソンの人も呼んでくれるので個人的には大変ありがたく毎年足を運んでいます。これに行かないと年が越せない。

amazarashi→KEYTALK→LiSA→さユり→Aimer→WANIMA→ASIAN KUNG-FU GENERATIONの順で見たのですが、KEYTALK楽しかったです。新曲も良かったし、「桜花爛漫」「MONSTER DANCE」は一度聞きたかったので。ただ、メンバーが自分たちが29歳だからと、それより上下のコーレスした時、ほんとにこのバンドのファン若いんだなと……。三十路超えには厳しい世界。

あとAimerが明るい曲をめっちゃステージ上で走ったり客席に手を振ったり跳ねたりしながら歌っていたので、これまで見てきた姿とのギャップにめっちゃ驚きました。ああいう感じのライブもするんだ......良いな......と。あと「花の唄」聞けた。

そしてアジカン。初期の頃が好きでそれ以降はという人だったのですが、あのニュートラルで心地良感じのライブを聞いて、なんかたぶん聞き方が間違っていたんだなと。凄くいいじゃんと思いました。人気曲全部載せみたいなセトリも良かった。

ユートロニカのこちら側 / 小川哲

 

ユートロニカのこちら側 (ハヤカワ文庫JA)

ユートロニカのこちら側 (ハヤカワ文庫JA)

 

 自らの情報を全て開示することで、労働から解放され、安全で豊かな生活が保証される実験都市アガスティアリゾート。その理想郷が人々に社会に何をもたらすのかを、その在り方に自分自身を投げ出せなかった人たちの視点から描いた短編集。

ジャンル的には情報管理社会のディストピアものに当たるのだと思って、考えることをやめられなかった人たちが、理想郷として立ち上がる社会の在り方を前に悩み、苦しみ、行動を起こし、あるいは起こせないという姿を描いているのですが、このアガスティアリゾートが果たしてディストピアなのか、読み進めるほどにわからなくなってくる小説でもあります。

常に行われる監視。情報を管理するシステムによる犯罪予測を根拠にした逮捕。情報等級によるランク付け。サーヴァントが推薦する選択肢に従うだけの生活。それが、人類が一体何を機械にアウトソースした結果なのか。情報の処理を外部化して、意思すらも機械に代替させるでより効率的に豊かで安全な生活が得られるならば、それは単純作業をオートメーション化することと何が違うのか。

人が人である所以を自由意思に求めた時、それを外部化した時に残ったものは果たして人なのか、そもそも自由とは一体何なのか。物語として面白いかというと盛り上がりに欠ける感は否めないのですが、今と地続きにあると感じさせる世界に生きる人々の姿に、そんなことを考えさせられる一冊でした。

 

86 ―エイティシックス― 3 ラン・スルー・ザ・バトルフロント 下

 

 「ラン・スルー・ザ・バトルフロント」の上下巻2冊は、レーナの物語だった1巻のその先を、レーナとシンの物語とするために必要な、シンの物語だったんだろうと思います。

死ぬための出撃の果てにギアーデ連邦に救われ、エイティシックスとしての扱いから抜け出せたはずの彼が、それでも軍に属し、最前線への配置を望み、レギオンとの闘いの中に身を置く理由。自由を奪われ、家族を奪われ、ただレギオンとなった兄を討つ目的と、最後まで戦い抜くという誇りだけを持って生きてこられたのは、終わりが決まっていたからだったという皮肉な構造が、はるか未来までを描ける立場に置かれた時に、彼を縛り、苦しめるのは読んでいて辛いものがありました。

それだけしかなかったから、そこに己の全てを置いて、それだけではない世界に来た時に、自分を否定せずに生きる術がない。そんな状況に置かれた彼の姿を、密度の高い文章で何度も何度も繰り返すように描くのは、同じ場所にひたすら黒いペンキを塗り重ねるようで、粗いのだけれど、暗い熱さがあるように感じました。

そしてそんな彼を救ったのが、ギアーデ連邦の対電磁加速砲型レギオン総力戦のスピアヘッドとして突撃した彼らが、戦場で再び巡り合った彼女。お互いの姿が見えない中、かつて彼が彼女に語った言葉が、1巻のまさに裏返しのように彼を救う構造の美しさ。ああ、だからこれはこの先を語るために必要な物語で、彼ら彼女らがこの先を生きていくためには、描かなければいけない話だったのだなと。

シンの物語としてそこまでを描いたからこそ、1巻のラストにあった台詞の、その先に進むことができる。初めての再会を果たした彼らのこの先は未だレギオンによる危機の中で、それでもその未来に希望を持ちたくなるような、改めての感動的なラストシーンでした。