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THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!! 3/11・12・13 @ 日本武道館 その2

感想 ライブ/イベント

その1はこちら。

 

アイマスのステージを楽しむポイントは、ライブパフォーマンスだったり、役者としてのキャラクターの表現であったり、自分の好きなキャラや曲が来た時の喜びだったり、それを表現してくれたキャストへの感謝だったり、他にもPの数だけあるように思います。そんな中でも個人的には、最高の醍醐味はキャストの気持ちが見える瞬間だと思っています。

楽曲、キャラクター、舞台への思い入れからくる気迫、何かを背負ってそれでもステージに立つ姿、キャラクターをそこに顕現させるんだという役者としての矜持。そういう魂のような、生き様のようなものが見える瞬間がたまらない。特に、キャラクターという存在があるこういうライブだと、自分自身としてステージに立っている時には出てこないものが表出するのが熱いと思います。

 

それは置いておいてミリオン4thの楽曲ごとの感想を箇条書きで。語彙力の保証はできかねますのであしからず。

 

・まず最初にロコが中村温姫さんで本当に良かった。あの愛嬌と小動物感最高です。「IMPRESSION→LOCOMOTION!」ああロコやわーと思いながら見てました。

・ナンスがどんどん垢抜けていく気がする「Happy Darling」。可愛い。

・「恋のLesson初級編」LOVEらぶりーまちこのコールの大きさにちょっと笑った。

・「ランニング・ハイッ」とにかくライブで盛り上がる曲だなあと。楽しい。

・念願の「アニマル☆ステイション!」を聞きながら、脳裏をよぎるジャパリパーク

・角元が痩せてる! 頑張った! 素敵だった!(だれらじ民の感想)

・「微笑み日和 」めっちゃ気持ち入ってて良かったです。郁原ゆうさん、歌もうまかったし、エミリーを大事にしていることも伝わってきてとても良かった。

・「りんごのマーチ」はダメです。あれは泣きます。田舎に帰りたくなる(東京生まれですが)。あと田村奈央さん、前回は固かったMCで真価を発揮しててこの人面白い(変な)人だと思ったのは今回の大きな発見。

・「創造は始まりの風を連れて」シークレット。揃えるか、そうか、じゃあ3日でTA3曲やるんだなと覚悟しつつ。やっぱりこのメンバー出てくると格が違うなと思うところもあり。

・「Emergence Vibe」めっちゃ良かった。これはまた見たい。角元頑張った。

・「fruity love」ロコー!! かわいいよーーー!!! ロコーー!!!

・「Growing Storm!」こっちは予想も何もないところから来た不意打ちシークレット乙女ストーム。山崎はるかが出てきた時の圧倒的な安心感と、これぞミリオンって感じが、これがセンターの力……と思いました。つよい。あとこのメンバーに普通に引けを取らない阿部里果さん何者なんだ。

・「DIAMOND DAYS」サビ入りのううううううういええええええのコールのタイミングを掴み損ねること多数。それは置いておいて晴れやかなエンディング感ある曲だなあと。

・「夕風のメロディー」近藤唯さんはもとより可憐本人かと言う感じなのですが、可憐らしさを失わずに、キャラクターと共にしっかり成長していているのが伺えて良いです。

・「Maria Trap」最初のMCで突然客席に7か条を振って、Pがちゃんとソラで答えたのも天空橋騎士団の練度に戦慄しましたが、そこでやったてことはこっちですよねーと。大好きな曲なので嬉しい。あとこっこさんMCも含めてアイマス愛が重いなって。

・「Raise the FLAG」ゆきよさんの歌声が映える曲。カッコよかった。

・こんなに柔らかく歌われている「Precious Grain」は初めてみました。

・「待ちぼうけのLacrima」圧巻。2日目ベストアクト。すげえ……と最高……以外の語彙を失いました。愛美のイケボもぴらみさんも良かったけど、この曲はとにかく駒形友梨、すごい才能だと思う。推さなきゃ……。

・戸田くんは上手いわけじゃないと思いますが、不器用が故に自分の全てをステージにぶつけてくる生き様の人で、それが本当に良いです。噛みしめるような「Get My Shinin'」、今回も最高でした。

・3rdの「アイル」や前日の乙女ストームでも場数の少なさを感じさせない堂々たるパフォーマンスに化物かと思った阿部里果さんがこんなに固くなるなんて思わなかった「POKER POKER」。明けのMCで泣きはらして出てきたのも含めて驚きと、4年越しの周年ライブ披露の重さ、真壁瑞希だからこそのポーカーフェースの裏にあったものを見ました。

・「流星群」バンドリの副次効果かギターがめっちゃ上達していて思わず笑っちゃいました。今まではギターも弾くことができるっていう感じだったのが、この日の愛美は完全にギターボーカルでした。

・本人の中で上手くいかなかったという3rdを乗り越えて、万感の「vivid color」。MCのこれでまた紗代子と手を繋いで歩けるという言葉まで含めて、最高のパフォーマンスだったと思います。ほんと駒形友梨やばいって。

・「赤い世界が消える頃」この歌単純に好き。よい。

・「星屑のシンフォニア」は左側でべいと野村が並んで歌っていてですね、それを見てふいに涙がこみ上げてきてちょっとやばかった。思ったより私の中でだれらじの存在がでかいということを思い知った一曲。野村とべいはMCでもだれらじテンションで喋れていて良かったと思います。周りを見て気を使えて人のために泣けてちょっとうるさい野村人格者だなって。

・雨音のSEからのシークレットで「Flooding」。聞ける日を待ってた。まっすぐな声が重なることで歌声がただただ強くなる感じ、最高にクレシェンドブルーだなって。

・「Starry Melody」2曲目から既に醸し出される大団円感に、これは今日はやばいぞ? って。

・「Heart♡・デイズ・Night☆」茜ちゃんは本当に茜ちゃんで唯一無二だなと。

・役者としての稲川英里が大神環を決して外さないのは凄いと思います。「ホップ♪ステップ♪レインボウ♪」はもちろん、「ジレるハートに火をつけて」みたいな環とはイメージが外れる曲でも、声と表情で常に環を表現しているのがヤバい。

・もちょは相変わらず全てがハイクオリティで「トキメキの音符になって 」も良かったのですが、とにかく最後のMCで感動しました。めっちゃ良いこと言っていた。

緊張しないと言っていたもちょが、緊張するようになって、リーダーのプレッシャーも経験して、そしてまた緊張しなくなったと言っているのが尊かった。ああ、もちょが人間になったと。

・「リフレインキス」これはめっちゃ好きな曲。しかしもう雨宮天上田麗奈も表情がちょっといけませんねこれは……。

・「フェスタ・イルミネーション」これもめっちゃ好きな曲。諏訪彩花はまつり姫をいつも高次元で表現していて素晴らしいと思います。手が長いのでステージ上の動きも映える。

・「素敵なキセキ」自由に動ける権限がこの人にしかないのかもしれないのですが、とにかくステージの使い方や客席への煽り含めたステージングが一人別次元。山崎はるかすげえなって。あとPが歌うパートが増えていく。

・「ハッピ~ エフェクト!」宮尾美也はこれなんですよって曲を、ちょうちょさんがすごく大事に歌っていて素晴らしかったです。ふわふわした曲なのですが、最後のところで抑えきれない熱がこもっていく感じ、ぞくぞくしました。

・「dear...」のイントロであれだけ沸く辺り愛された曲なんだなあって。高橋未奈美も歌上手い。あと髪の色と髪型をこのみさんに合わせてきたの、やっぱいいなって。

・最高of最高以外の語彙力を失った「Sweet Sweet Soul」。楽しい。楽しすぎるやばい。フリースタイルラップもばっちり。

上田麗奈が完全に高坂海美を降ろしきっていた「恋愛ロードランナー」。ずっとうえしゃまはシャーマンだと言い続けてきましたが、本当にねえ。稲川プロが役者だとするとうえしゃまはシャーマンなんですよ。なるべくしてこういう仕事をしているというか、ちょっと生きているレイヤーが違うというか。

・「Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!」テンション上がるヤバい。というか3日目のセトリが私を殺すやつだってことに薄々気が付き始める。

・ちょっと柔らかさの見える「ライアー・ルージュ」。これも劇場版を経た志保さんなのかなって。

・「メメント?モメント♪ルルルルル☆」BPMが早い。楽しい。

・「俠気乱舞」これも大好きな曲なんですよ。愛美がイケメンすぎた。死ぬ。

・「ジャングル☆パーティー」うんばばあああああああ!!! ちのうをうしなった。

・「little trip around the world」かわいい

・「PRETTY DREAMER」つよい

・「瞳の中のシリウス尊い

・「ジレるハートに火をつけて」これも大好きな曲なんですが、この日は感想の台詞の部分、そして藤井ゆきよのMCですよ。5人の灼熱少女。それに尽きる。

・「君との明日を願うから 」あまり凝った演出を入れてこないミリオンが、ゲッサンの物語を完全に踏まえて持ってきたこれ。結果、集大成の武道館という意味を一番抱えた曲になりました。そしてユニットトリ曲、信号機によるここまでのミリオンの総括でもあって。なんかシンデレラ3rdとかμ's3rdとか、ああいうのを見てる気持ちになって、そうだよこういうのなんだよって泣いてた。

・「Brand New Theater!」初出し新曲なのに曲開始数秒での「いぇえええええい」が完璧にそろうプロデューサーに戦慄。

・次のステージを見せた後での「Dreaming! 」。そうだよ現在進行系なんだよ今まさに夢を見ているんだよっていうのがあって、この3日間でも最高の「Dreaming! 」になっていたと思います。私たちがミリオンスターズです! に誇らしさが滲んだように聞こえた。

・36人の「Thank You!」までは想像してた。だからぞろぞろと出てきた時もやっぱりやるのかと思った。でも3Dモデルで琴葉が踊るというシンデレラしかやらないだろうと思ってた演出をここで入れてきたのは不意打ち過ぎました。演出を絞って絞ってきたからこその一撃だった……。こんな37人の武道館見せられたら、ミリオン最高かよ……以外の言葉を失いますよね。

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!! 3/11・12・13 @ 日本武道館 その1

感想 ライブ/イベント
THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 01 Sunshine Rhythm

THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 01 Sunshine Rhythm

 

 

 

 まず誤解していたなと思うことがあって、これは3日間3公演のライブではなく、ミリオン37人全員出演の武道館1公演を、そのままだと長過ぎるから3日に分けてやっただけだったんだと。

というのも、1日目2日目と良かったけど足りないというか、見たいものを見れなかったなと思うところがどうにもあったのです。でも、3日目にそれが全部入りでやってきて収束して、もしかしてこれは最初からそういう構成の1つのライブだったんじゃないかと思ったのです。それならもういっそ3日通しチケット売ろうよと思わなくもないですが!

ただ、その過程で自分がアイマスのライブに何を見に来ていているのかが改めて自覚できたという副産物があって、それはそれで良かったです。

 

アイマスって今これだけ広がっている押しも押されぬ人気コンテンツなのに、凄く内向きの力が強いというか、外に広く知らしめよう! みたいな方向じゃなくて、如何に中心に迫っていけるかみたいなものを大事にしているという気がします。キャラクターと物語という形のない概念が軸にあって、そこにキャストとスタッフとファン(プロデューサー)の熱意が織り込まれるようにして建てられた象牙の塔。良い意味でも悪い意味でも宗教的な類のコンテンツというか、皆が皆愛が重いというか、入れ込みが激しいというか。ただ、その時につんのめってしまう程の前のめりな気持ちが積み重なって、結果熱狂的としか言いようのないものが生まれる。ライブは祭儀であって、それが爆発する場なんだなと。

だから歌やダンスといった曲のパフォーマンスはもちろん、ライブは他の要素からも構成されているのだと思います。以前は人数が多いと流石に長いのではないかと思っていたキャスト全員の挨拶MCも今は決して欠かせないものだと思うし、新情報の発表もまさにそう。ガミPが登壇する=何か大きな発表があるからの新アプリ発表、そして初公開の4周年記念PVの上映。キャラクター1人1人が登場するたびに上がる歓声、そして765ASの面々が映った時の大歓声。あのライブ感、高揚感、熱狂はやっぱりあの場でしか味わえないし、それを生み出しているのはキャストとスタッフとファン(プロデューサー)の気持ちな訳で。本当に思い入れのコンテンツなんだと思うし、それがアイマスアイマスでしか無いものにしているのだと思います。

アイマスのライブを見に来る人は声優の単独ライブや他のライブにあまり来ないみたいな話を時折耳にすることがあるのですが、これたぶんライブを見に来てるんじゃなくてアイマスを見に来てるんですよね。それはきっと明確に別のものであって。

 

それで、そういう思い入れのコンテンツだからやっぱり祭儀にはテーマ性が大事な訳で。積み重ねてきたものを点と線で結ぶような意味を、そういう物語を個人的には求めてしまうのです。それはアイマスの中では個のアーティストとしてのパフォーマンスに一番フォーカスしているだろうミリオンでも同じで、なので1日目2日目はちょっと物足りない感じがありました。手作りの「ぶどーかん」ってミリオンにとってもっと意味のあるもののはずで、割とするっとライブに入ってするっと終わっていったことに肩透かしというか。これまでの歩みを開演前煽りVTRで流すくらいの過剰な集大成感があっても良いんじゃないかと、入れ込み過ぎてやりすぎなくらいがむしろらしいんじゃないと。

ミリオンは演出が凄くシンプルでアーティストとしてのパフォーマンスで魅せるものだとは思っていて、それは演出で誰もをシンデレラガールズにしてしまうシンデレラとは別の方向性だと思うのですが、それにしても、みたいな。もちろんミリオンは個人の力も曲の力もやたらと強くて、実際私が転んだのもそれを1st中野で目の当たりにしたからですし、更に成長した今回も本当に本当に素晴らしかったと思います。でも、それにしてもメンバー間での差はある訳で。膂力だけで勝負すると、流石にこれまでの周年ライブ、合同ライブ、そして個人名義の活動といった場数を踏んでいる数が段違いの人と、3rdで始めて大舞台を踏みましたという人では条件が違いすぎるというのを、全員出演だと感じるところはあって。それを埋めるアイマスの力が、個人的には思い入れだったり、入れ込みだったり、そういう部分だと思うので、もうちょっと「ついにこの武道館で全員揃ったライブをすること」を推して良いんじゃないかなと。

そう、思っていたのですよ2日目までは。

 

まあ、やりやがったと思いますよね。種田梨沙が出られないことまで込みでの36人+1人による「Thank you!」での手づくりの「ぶどーかん」! 大合唱も、4人であっても5人なのだと高らかに宣言した灼熱少女の「ジレるハートに火をつけて」も、3rdの「アイル」、2日目の「flooding」を経たゲッサンミリオンのストーリーの総仕上げである「君との明日を願うから」も。特にゲッサンミリオンを踏まえての「君との明日を願うから」は、ああ私はやっぱり、こういう虚構と現実の上に何かが見える瞬間が好きなんだよなと。

そして集大成であることを踏まえて次のステージへ続く新発表。新曲、新アプリ、周年PV。特に50人の765MILLIONSTARSという次のステージが垣間見えていたのは、いつかはと想像はしていても、今ここでその刀を抜いてきたかと震えます。PVの中にあった50人による3daysライブ@SSA、いつか機が熟したらやりますよね? 期待して良いんですよね?

そしてミリオンにはまだ37人の武道館という忘れ物もあるわけで、物語はまだ続いていく。ここが集大成だと思っていた今回のライブの先にも、まだまだ追いかけていかなくちゃいけない、見逃せない瞬間が待っているんだなと嬉しく思います。終わってみれば、本当に良いライブで、本当に良いアイマスでした。

 

個別の曲やキャストの感想は長くなりすぎるので別エントリで。

keikomori.hatenablog.com

少女妄想中。 / 入間人間

感想 ☆☆☆☆

 

少女妄想中。 (メディアワークス文庫)

少女妄想中。 (メディアワークス文庫)

 

「私のこと、ちゃんと恨んでますか?」

 入間人間で表紙イラスト仲谷鳰と言われると、めっちゃ百合な作品なんだろうと思うのですが、自分だけに見える相手の背中を追いかける少女と彼女を見続けた友人の話「ガールズ・オン・ザ・ラン」、白昼夢のような世界で少女に出会う話「銀の手は消えない」と、百合っぽくはあるものの入間人間らしい、少し不思議で理由はないけど実感はあるみたいな話が続きます。なので、これはそんなに百合百合してはいない作品なのだなと思ったら「君を見つめて」がやばかった。そりゃあ表紙はこの話だわと。

まるで世捨て人のような叔母の店に足繁く手伝いに来る姪の話なのですが、彼女は物心付く前に振り回した玩具で叔母の片目を傷つけ、視力を奪っている。二人の関係の最初のところにそれはあって、それを軸にしながら別の感情で惹かれていく姪の話で、これが非常に良かったです。

入間人間の百合というと「安達としまむら」で、あれは安達としまむらの考え方の違いから、平和な日常の裏でもういつ崩壊してもおかしくないような緊張感があるのですが、こちらはもうインセストタブーど真ん中であるにも関わらず、どこか飄々と、淡々とした感じなのが特徴的。たぶん、達観したところと幼さを併せ持った、まさに世捨て人的な性格の叔母が受け流すからそう見えるのだと思うのですが、かなりグイグイ来る姪が踏み込んだ時に一瞬垣間見えるザラッとした領域、みたいなものがあってざわっとします。そして彼女は、ふざけたように受け流すし、好きになる人は選びなさいと諭しもするけれど、拒絶をすることはない。

二人の関係の核には常に彼女が彼女を傷つけたことがあって、だから姪はまるで確かめるかのようにそれを踏みさえする。でも、彼女たちを繋ぐのは傷ではあっても、そこに暗く淀んだものは感じられません。そうでなければ現在はなかったと、失ったものも手に入れたものも、そういうものとして生きていくのだと彼女は言う。

だからこれは、傷と諦念と初恋の情熱と不思議な前向きさでできた、少し変わった、とても素敵な物語だと思います。良かったです。

ダンガンロンパ十神 下 十神の名にかけて / 佐藤友哉

感想 ☆☆☆☆

 

ダンガンロンパ十神 (下) 十神の名にかけて (星海社FICTIONS)

ダンガンロンパ十神 (下) 十神の名にかけて (星海社FICTIONS)

 

なるほどそういうことか! というか豪快すぎる収束というか何というか。

ダンガンロンパ鏡家サーガのダブルパロディのような体で進んできたシリーズが、間違いなくダンガンロンパのノベライズであり、十神白夜を描いた作品であったということが明らかになる最終巻。

筆記システム、ボルヘス、誰が語り手であったのか。介入されたレイヤーがそのメタな領域であるなら、改竄された物語が別の世界を語りだしてもそれは仕方がないというか、それすらもフェイクであったというか。

この辺の展開も、小説のメタな領域への踏み込みも、ジャンクな切実さも佐藤友哉作品らしく、けれど着地点はダンガンロンパの世界の範囲にきっちり合わせてくる感じで、確かにこれは佐藤友哉×ダンガンロンパだったのだと思いました。あんまりちゃんと収束するものだから、滅茶苦茶やっているように見えたこれまでの展開からすると、それはそれで物足りない気もするのですが!

と思いつつも、上中下に渡ったこのシリーズがなんだったのかと言えば、そんなものは全部些細な事であって

白夜様は神様です

と思い、言葉にし続けた、たとえ何が起きてもそれを貫いた『青インク』の物語であったのだと思います。最後まで、彼女の語りがとても魅力的な作品でした。

大橋彩香 1stワンマンライブTOUR2017 OVERSTEP!! 3/5 @ 豊洲PIT

感想 ライブ/イベント

 

若い子はちょっと見ないうちに成長するとはよく言いますが、去年の1stライブから1年足らずでこんな長足の進歩を遂げているなんてとびっくりしました。1stも好きだったのですが、今回を見ると、あの時はとにかくしっかり歌うことで一杯だったんだろうなあと。そのくらい今回は自然体に見えたし、魅力であるよく伸びる歌声も、ステージ上での振る舞いも、安心して見ていられるような、こう、プロのアーティストなんだなあと思わせる堂々たるパフォーマンスだったと思います。一つ上の領域に手がかかったというか、これからが本当に楽しみになるようなライブでした。

そんな感じで全体的に余裕が見えてきたのですが、その余裕からか、一曲ごとにどうやって歌おうかというのを考えているんだろうなあというのが見えるライブだったなとも。最新シングルの「ワガママMIRROR HEART」の収録3曲はどれも曲の内容に対して演技をするように歌っていて変化を感じたのですが、ライブで見ても曲の世界観に対して歌と表情でどう演じるかというのが感じられたのが面白かったです。ああこの人は、アーティスト活動をやるけれども、根は役者であるのだなと思ったり。

ただ、そうやって演技として感情を乗せるようになったことで、楽曲それぞれに情感豊かになったものの、より本人の素の部分は見えなくなったように感じるところも。たぶん今やっている方向性が大橋彩香のアーティスト活動としてはあっているのだろうと思いつつ、素に近いものと本人が述べているような曲だと、もっと直接的に感情をぶつけてくるようなパフォーマンスも見たいなと思いました。完成度とはちょっとベクトルの違う、その時のその人にしか出せないもっと生っぽいものというか。その辺りを期待すると、飾りがなかった分初期衝動をぶつけるようなところのあった1stの方が、素の見えるライブだったという気はします。

とはいえ、完成度は断然今回の方が上でしたし、大橋彩香のライブの方向性というか、型みたいなものがとても良く見えるライブだったと思います。このあまり前のめりではないけれど、伸びやかできらきらしていて気持ちの良い空気感。ああ、こういう方向で進んでいくんだな、それならこれからもっともっと進化していく姿が見られるのだろうなと。

ちなみにサイリウム禁止の結果としては、特に違和感もなくクラップ多めの現場になっていた印象。個人的にはこの感じ、特にオルスタという形式には合っていて良かったと思います。

魔法少女育成計画 キャラクターソングLIVE 「Musica Magica」 3/4昼の部 @ 舞浜アンフィシアター

感想 ライブ/イベント

 

TVアニメ『魔法少女育成計画』キャラクターソングアルバム「Musica Magica」

TVアニメ『魔法少女育成計画』キャラクターソングアルバム「Musica Magica」

 

 声優という職業の魅力と聞かれた時に、人間じゃない役が演じられたり、年齢にとらわれずに演技ができることと挙げているのをよく聞くのですが、こうやって本人出演のイベントでも10代の新人から50代の大ベテランまでが魔法少女という全く同じ土俵に上がって、全く同じ条件でライブをするというのを見ると、声優界まじファンタジーと思わざるをえません。

ただ、「老若男女誰でも魔法少女になれる」が魔法少女育成計画の大きな設定なので、原作にとても忠実という気もしますが!

そんな訳でまほいくキャラソンライブ。キャラソンCDがとても良かったので見に行ったのですが、ライブはもちろん、収録がないからかフリーダムすぎるMCも大変面白い良いイベントでした。

まほいくキャラソンは単純にキャラクターが歌っている曲というだけでなくて、非常に物語性が強い、これ自体がキャラクターのことを表現している曲になっているのが良くて、それだけに実際にキャストが歌と振り付けでそれを表現するのを見るのが面白いなと。特にリップルとトップスピードや、ルーラとスイムスイムのように関係の深いキャラクターの組み合わせになっている曲はそう感じます。

そして曲としてはスノーホワイトラ・ピュセルの「ユメトユメ」が、やはりまほいくを一番表現している曲になっていてグッと来るものが。ラ・ピュセルと一緒に歌う曲ですが、無印以降のシリーズ通じたスノーホワイトのテーマにもなっている曲だと思います。

今でもこっそり夢見てる 2人で信じた夢のため

負けるわけに いかないから

 なんて歌詞、まさにあの修羅道を行くスノーホワイトさんを支えるものであり、呪縛しているものだよなあと、改めて。しかもそれをもう失ったラ・ピュセルとともに歌うというのがなんとも。

あとは「Forget me Not...」が、全編スノーホワイトへの陶酔と妄執で溢れた、もう最高にハードゴア・アリスって曲で最高でした。

MCの方は下手に喋れる声優勢揃いという感じなので、もう最初の組からひどいひどい。話しだすとすぐにウケを狙う方に趣旨から外れていって、最終的にトーク切り上げてくださいと指示をされてるのは面白かったです。中身は色々ありすぎたので割愛しますが、最後の死んだ順番に並んでの挨拶まで、自由すぎるトークの応酬に死ぬほど笑わせてもらいました。若手の暴走を上回っていくベテランの姿に、芸能界で何十年生きてきた人はちょっと存在の格が違うな……と思ったり。

とにかく、まさかトークがこんなに面白いイベントだとは思わなかったです。あと井上喜久子17歳に生で「おいおい」できる機会がこんな所で巡ってくるなんてと地味に感動。あと初めて見た新井里美から新井里美の声が出ていたのも何故か感動しました。

 

あと、このイベント、随所に謎の熱意が感じられて凄いと思いました。

アニメ化→キャラソン発売→アニメのイベントみたいな普通の流れではなくて、とにかくこの16人をキャスティングしたからには全員揃えてライブがしたいんだという情熱で生まれたような。キャラソンライブという形態もあってか、原作に寄せたものではなく、キャストによるライブという感じでしたし。

そもそも、井上喜久子緒方恵美、さらにはライブで大舞台は初めてだという新井里美から、今売れっ子の水瀬いのり早見沙織までのスケジュールを押さえ、キャラソンシリーズを売り出すんじゃなくてライブをするために1枚のアルバムで発売し、この日のためだけにやたらと力の入った衣装を作ってと、色々何かおかしい。

なんというか、こう、売れたからイベントやるとか、売るためにイベントをやるとかでなくて、とにかくやりたかったことを多少チケットが高くなったとしてもクオリティ上げてやりきるんだという熱みたいなのが見えるの、好きです。良いもの見たなと、満足度の高いイベントでした。

ラブライブ! サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~2/25 @ 横浜アリーナ

感想 ライブ/イベント

 

アニメでも大きなテーマだった「0から1」。それは、憧れと勢いで走りだした彼女たちが、「0」としか評価されなかった現実にぶつかって、改めて踏み出すはじまりの1歩の物語で、そこには常に憧れの先輩として描かれるμ'sの影がずっと色濃くおりていたように思います。 特にリーダーである高海千歌にとっては、μ'sのようになりたい、μ'sのようになれないというのが大きなテーマとしてあったように思えて、それでアニメを見ていた時にこんなことを書いたり。

keikomori.hatenablog.com

私は、これを書いた時に見たかったのも、このライブを前にして見たかったのも

個人的には、願わくばこれは偉大すぎる開拓者だった先人に憧れた凡人が、その背中を、歩んだ道を追いかける中で、それとは違う何者になれるのかの物語であって欲しいと思います。
そしてそれはまた、声優ユニットとしてのAqoursが、声優ユニットとして規格外の成功を収めたμ'sと比較される中で何者になっていけるかという現実にリンクしていく物語であればと。

に尽きるのですが、その意味で満点回答の1stライブを見ることができたと思います。

ラブライブというコンテンツが積み重ねてきたものを引き継ぎ進化させながら、Aqoursがμ'sの幻影を振り切って、Aqoursとして巣立っていった1stライブ。μ'sを追いかけた人間としては、それを見送って安心する老人のような気分になりました。

 

ライブとしてはとにかくそれが見れただけで満足ではあったのですが、特に印象的だったのは終盤のアニメ挿入歌のところ。ここで、完全にアニメとリンクする構成になっていたのが凄かったです。アニメダイジェスト映像からの「未熟DREAMER」、そして梨子役の逢田梨香子が実際にピアノを弾く中で8人が歌い踊るという演出を決めてきた「想いよひとつになれ」、1曲挟んで更にダイジェスト映像から、アニメ通りの演劇的な演出を入れての「MIRAI TICKET」。

Aqoursは最初からAqoursとして歌って踊ること前提みたいなイメージがあって、ある意味普通のアイドルグループ的な見方も自分の中であったのですが、そういうことじゃないんだなと。とにかく、キャスト選出からアニメから、全てがこのキャスト=キャラクターとして表現するAqours1stライブに向かって逆算されていたものなのだろうなと思いました。積み上げてきた結果がこのライブではなくて、全てがここに結実させるために積み上げられて、そのために皆努力してきたんだろうなと。

そういう意味では、アニメでは唐突で見ていて? となった、あのライブ前に自分たちの歩みを振り返る演劇的なパート。あれがもうアニメを作った時からこの絵が見えていたんじゃないのかというくらい完璧にハマっていて美しかったです。アニメから線を引いて、このパフォーマンスを持って完成したんだなと思います。

あとはとても楽しみにしてたGuilty Kissが二曲とも最高だったりとか、ダイヤ役の小宮有紗がビジュアル的に飛び抜けていてびっくりしたりとか、一人だけダンスのダイナミックさが違った曜役の斉藤朱夏だったりとか。全般的にダンスは1stと思えないレベルで流石でした。

それと、衣装替えの時間に流れるミニドラマパートと言い、キャラとしてのMCといい、ぶっ飛んでいたというか、もはやとんちきだったのがラブライブらしさなのかなと。隙あらば自分のキャラの決めフレーズ的なものを入れ込んでくる貪欲さ、嫌いじゃないです。