東京レイヴンズ 15 / あざの耕平

 

 久しぶりの新刊は転生した夏目の視点から、夜光の時代を描く過去編。これまで現代の視点から語られてきた、夜光や飛車丸、角行鬼、そして夜光の周りにいた当時の相馬や倉橋について、改めて本人たちの視点から語られた時に何が見えるのか。

「帝式」と呼ばれる夜光の確立した陰陽術が、そもそも軍用であったことから分かってはいたのですが、戦争の真っ只中を歩む日本の中で、否が応にも使えるものはなんでも使おうとする軍部の内と外の争いに巻き込まれていくのが読んでいて辛いものがあります。そこが主題ではないので深く触れるわけではなくとも、思った以上に時代背景が暗い影を落としているような感じ。

そんな中で忠犬(狐だけど)のような飛車丸の忠義っぷりがおかしかったり、陰陽術の天才である勝手気ままな夜光と、相馬の若き当主である不良軍人の佐月が、反発しながらも協力していく相棒っぷりが良かったです。

過去編のまま終わって続くの!? と思ったものの、あとがきによれば次巻で現代に戻る模様。過去と現在を繋ぐ物語と、魂の呪術によって現在から過去に繋がった物語、夜光と飛車丸、春虎と夏目。その2つの流れが果たしていったいどういうひとつの形を描くのか。スケールの大きさ、話の複雑さからもうどんな景色が待っているのか想像のつかない感じですが、作者を信じて、また待っていたいと思います。

1518!イチゴーイチハチ! 4 / 相田裕

 

 帯に「夢を諦めるところから始まる物語」と書いてあるのですが、この作品は1巻からずっとそういう話を続けてきていて、やっぱりそれが最高に好きです。

4巻はここまでの集大成というか、一区切り的な話なのですが、クライマックスというには地味で、彼ら彼女らはもう表舞台で輝く訳ではなくて、それでも確かにこれらは彼らの人生における特別な時間。肘の故障で続けられなくなった野球に、生徒会からの応援団の手伝いという形で向き合う烏谷の吹っ切れた姿に、男子の中で野球を続けることを諦めた会長が、それでも野球が好きだと女子野球を目指す決意をする姿に、夢破れた者たちがこの生徒会で過ごした時間は無駄ではなかったんだなと思いました。

そしてやっぱり最後のシーン。昔の彼の姿に憧れていた子供に対して、今の彼が投じられる最高の一球。そして自分の姿を追ってくる子にかけた言葉。それはまた、彼自身にとってもけじめであって、またそれを見ていた周りの人達にとっても一つの区切りになったのだと思います。確かに甲子園やそこを目指す大舞台でエースが投げるボールではなかったけれど、鳥肌が立つような、特別な時間を切り取ったシーン。すべてを賭けてきた夢が終わったその先に、こんなに清々しく、美しく、少し寂しさのある景色が続いている。本当に素敵な作品だと思いました。思いっきり泣いてしまった……。

映画大好きポンポさん / 杉谷庄吾【人間プラモ】

 

 pixivで話題になっていた時に読んでこれは凄い、とにかく凄いと思って、本になるならぜひ紙で手元にと思って買ってまた読んで凄い! と思ったのですが、結局のところその凄さが何なのか私にはよくわからないんですよね、この作品。

リエーターの水面下でぐらぐらと煮えたぎってるような、表向けのきらきらしている部分じゃないどろどろと濁ったような、そんな部分をけれどキャッチ-にすくい上げたみたいな。ポップさと狂気が絡み合ったような底知れない感じに持って行かれるのですが、結局私はクリエイターではないのでそれが何なのか、分かるような、分からないような。でもやっぱりこれは凄いなと、それは確かだなと。

映画を撮りながらあのシーンに向かっていく高揚感、そしてハマるべきものがハマるべきところにハマって突き抜けきった感じも素晴らしかったのですが、序盤のミスティアの黙々とサプリを取ってトレーニングをしてるところとか、工事現場でバイトするナタリーのシーンだとか、そういう何気ない所で、ぐっと引きずり込まれるような感じがあったのがとても印象的な一冊でした。引力の強い、作品だなって。

HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY

TwitterのTLで流行っているのは横目に見ていて、その流行り方を見るにこれは見なければダメなのではと思ってはいたものの、TVシリーズから追いかけるほどの気力もなく、ええいといきなり映画の2を観に行ってきました。

結論から言うとめちゃくちゃ面白いですねハイロー。完全にキャラクターコンテンツなのでTVシリーズや前作映画の積み重ねがあればもっと面白かったろうとは思いつつ、冒頭でSWORD地区で争う各チームのメンバー、ビジュアルイメージ、テーマ曲や、今SWORD地区が置かれている状況は紹介してくれるのでおおよそのところは無問題。あとはとにかくひたすら喧嘩祭が開催されていることと、ひたすら俺の考える最高のカッコよさが追求されたビジュアルと、とんでもないクオリティのアクションが矢継ぎ早に来るのに身を任せれば大丈夫です。実のところキャラ数は膨大で設定は細かいそうなのですが、あとはああそういう感じねはいはいOKで全然いけます。

そう、そういう感じねOK分かったなんですよ、オタク的には。EXILEという文化交流の一切ない未知の大陸に足を踏み入れたつもりが、明らかに楽しみ方を知っているあれやこれがどんどん来るので、やはりここがスタート地点は違えど最新エンタメの辿り着く場所なのか、みたいな気持ちになります。

膨大なキャラクターがユニット分けされて、それぞれに強烈な個性が与えられて、個人の掘り下げと個々の関係性で物語が紡がれていく感じ。己のカッコよさを、描きたいと思ったものをひたすらに貫いて突っ込みどころを後方に振り切りながら走る熱量とお祭り感。そして役者とキャラクターの2人で1つな一体感。流行りのソシャゲ系のコンテンツとか、ガルパンとかキンプリとか、二次元アイドル系のコンテンツとかなんかそういうのが脳裏をかすめるような。楽しみ方は色々あるとは思いますが、そのラインで楽しむのも間違っていないような気がするのです。ほら、応援上映やってるし。

ストーリーは少年漫画のど王道で、外敵と闘うために、普段敵対しつつも認めあうところはある5つのチームが最後には共闘するとか、もうベッタベタですけど最高ですよねっていう。意地を通してめっためたにやられたあるチームのトップが、別のチームのトップに助けられて手を差し出され、握り返して引き起こされる時に「ずいぶんやられてんな」とかけられた声に「うるせえバーカ」って返すんですよ。それ! ってなるじゃん。

あとスラム街(?)的なところを本拠地にしたチームのトップが、病気を患ってるらしくどこか儚げな空気を醸し出していて、彼が良くなるようにと自分のネックレスを差し出してくる街の幼女に、それを返して握らせるシーンがあって、もうこの映画ではほとんど説明も活躍もないんで背景何も分かってないんだけどそれ分かるー!! ってなるの完全に悔しさしかない。個人的にはテーマ曲もアクションもRUDE BOYSめっちゃ好きでした。

あと達磨一家の日向さんメッチャかっこいいですねっていう。最後の闘いのシーン、あまりのスケール感と味方が集まってくる展開に祭りだああああ(ドンドコドンドコ)って心の中で太鼓がなる時点でかなりキてるのですが、日向さんの「SWORD協定じゃあああ!!!」で脈絡はもう何もかもわからないけれど勢いだけでうおおおおおおおおってなるの完全に負けてるなって。ほんと最高かよ。完敗です。

なんかそんな感じで、EXILEに親を殺されたとか、HIP-HOPやヤンキー文化が敵だとか、暴力的な表現はちょっと……みたいなことがなければ見に行けばいいんじゃないっていうくらい、何故かオタクにウケたというより、オタクが嫌いな訳がない映画だったと思います。いっそもうほとんどアニメなんですが、三次元だから作画が良いんですよね......。というかこんなんアニメじゃないとできないのではと思うようなことを、アクションも美術もキャラクターも実現しちゃってるというのが、この映画の凄さなのかなと思いました。ツッコミどころもケチの付けどころも挙げればいっぱいあると思うのですが、いやでもこれは最高だな、最高だったなとしか。

そしてこうなってくるとTVシリーズと前作までの映画が気になりつつも、この沼はヤバいと本能で感じるので、ちょっと距離を起きたいですが..…うーん。

ギンカムロ / 美奈川護

 

ギンカムロ (集英社文庫)

ギンカムロ (集英社文庫)

 

 ああ、美しい花火だったと、読み終えてまず思いました。

もちろんこれは文字媒体の小説で、本文中にもイラストがある訳ではなくて、それでも脳裏には、印半纏を羽織った職人たちの向こう、広がる夜空に咲く大輪の花火のイメージが鮮烈に焼き付く、そういう作品でした。素晴らしかったです。

かつて花火工場の事故で両親をなくし、故郷を離れた主人公。ある日祖父に呼ばれ帰郷したそこには、職人として修行中の女性がいて。12年前の不幸な事故。家を離れた青年。看板を掲げ直した老人。地元の大きな祭で打ち上げられる奉納花火。神事で山の神のもとへ連れられる少女。伝統の色濃く残る田舎町で、彼ら、彼女らは何を思い花火を上げるのか。打ち上げて、花開いて、たった7秒。その刹那に、一度は潰えるかに思われた高峰煙火の名前を背負った職人たちは、何を籠めるのか。

この作品は花火職人という職業にスポットを当てたお仕事小説であると同時に、喪失と再生、過去を清算して踏み出すための物語でした。でも、決してそれは後悔でもない、贖罪でもない。銀冠は鎮魂の花火、これは覚悟と祈りの物語。

物語の持つ清廉で凛とした雰囲気、風間絢という女性の在り方、職人たちの生き様、そして花火というテーマが、作者の丁寧で品のある文章にとてもマッチしていて、美しく素晴らしい物語を形作っていたように思います。本当に良かった。好きです。

そして欲を言えば、花火大会のシーズン前に読みたかったなと。そうしたら、久しぶりに打ち上がる花火を観に行ったのにと。その機会はまた来年になりそうですが、次に花火を見るときには、あれは誰のどんな思いを載せて上がっているのだろうと、そんなことを考えるような気がしています。

きっと彼女は神様なんかじゃない / 入間人間

 

 この表紙でこのタイトルで帯に「ガール・ミーツ・ガール」と書いてあって、それは確かに何も間違っていないのだけど、その印象通りの透明感のある雰囲気に反して、物語自体は非常に歪んだ形というか……何の形をしてるんだこれは? みたいな。

入間人間らしいと言えばらしい道具立てで作られたストーリーは、いきなり何だか良くわからない世界に放り出されて、原始的な暮らしをする集落でひとりぼっちの少女の視点で進みます。そして彼女は神の岩と言われる遺跡で永い間眠っていた少女に出会います。その後も何かがおかしいような違和感を残したまま淡々と進む物語は、次第に神の岩の正体や東の民、そして自称神の少女の正体にも何となく想像がついてきて、明らかになる真実も当たらずとも遠からずだった感じ。ただ、その少し不思議要素はいったん脇に置いておいて、なんというか、このお話は、その。

自称神の少女がどうして永い眠りについていたのか。どうして彼女はその少女に惹かれていったのか。真実が明らかになった時、明らかになる彼女の置かれている状況と、彼女の選んだ道。淡く淡く、一定のリズムを崩さないような雰囲気の中で、バッサリと切り捨てられる過去、その残酷さ。

略奪愛百合というか、たぶんそういう話になるんだとは思うのです。飄々とした彼女は涙を流しながらも、あっさりとこちらを選んだ。執着したはずの感情は、形というものに簡単に覆されて、断ち切られて、彼女たちはまた別の執着で次の道を歩きだす。

それをお膳立てしたのは、文字通りに仕組まれた、できの悪い神話のレプリカみたいな世界。救えない、笑えない、冗談のような巫山戯た未来図が描くものは何もかもが薄っぺらくて安っぽくて、けれどそれを本当として彼女たちは生きていくしかない。

「生きていくしかないんやね、ここで」

と繰り返される言葉が彼女の全て。そして、明日を生きれるかも分からない二人が生きていくこの物語の全て。ただ、これを生きることだと高らかに謳い上げられると、それはちょっと……ええ……となる思いもあります。でも、思い返してみるに、それはみーまーの頃から入間作品にずっと通底するものだったように思えて、これはちょっとアプローチが違うだけなのかなと、そんなふうに思いました。

Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- 8/25、26、27 @ さいたまスーパーアリーナ

 

Playing The World

Playing The World

 

 いやあ、アニサマ楽しいですね……。

ここ数年は毎回アニサマは今年でもういいかなと思いつつ、行ってみれば楽しくって来年も行こう! となるのを繰り返している気がしますが、今年はここ数年でも一番楽しかったように思います。去年と比べて総出演者数を減らして、ほぼ全員2曲以上でしっかり時間をもらえていたのが良かったのかなと。

しかしまあアニサマはアニソンフェスの頂点だなあと改めて思います。アニサマだからこそ持てる全てをぶつけてくるアーティストとか、アニサマだから来る客とか、そういうブランド力はここまでに積み上げてきたものに他ならず、パイオニアにしてそういう場で有り続けているのは純粋に凄いことだと。そしてそんな御託を並べるよりも、あの3日間の長丁場あの場にいる人たちが凄い楽しそうなのが、単純にアニサマ強いと思わされます。その分疲労感凄いですけど、しかし本当に楽しかった。

 

あとは気になった人とか、箇条書きで。

8/25

・え? 何? 誰が歌うの? 本物??? みたいな感じだったSOS団。世代なのもありますが、後藤邑子さんがまたステージで歌って踊れるほどに元気になったということが、涙腺にくるものがありました。

けものフレンズは開演前注意喚起アニメ(3日間でそれぞれ最後が違う)が制作されていて、たつき監督がまた酷使されている……とか思ったり。曲は盛り上がらないわけがなく。間奏明けコーラスで大写しになるオーイシお兄さんには笑いました。

Pyxis。アイドルだ……めっちゃアイドルだ……と思って見ていました。

大橋彩香。「ワガママMIRROR HEART」とても盛り上がるいい曲をもらったなあと。最近演じるように歌うなあと思ってはいましたが「ユー&アイ」と続けると声から全然違う表現をしていて、役者として歌手活動してるんだなと思います。

OxT。予想外の選曲でしたが、安定の盛り上げ。タオル回すの楽しい。田村ゆかりとコラボして「バラライカ」を歌ったのは驚きを通り越して笑いました。オーイシさんがやらないかを連呼してて、本当にニコ動の人なんだなと。

・前半トリで鈴木このみ。やっぱ凄いわ……と毎度のことながら思います。「カオスシンドローム」本当に好き。映画の方の曲かなと思っていたら最後に「This game」のイントロが来て、さては今日のアニサマのセトリは殺す気できているな? と思いました。

・多分ポピパより今人気あるよねというRoselia、歓声の大きさに大人気コンテンツバンドリ……となりました。演奏が思った以上に様になっていた。2曲目、2ndシングルだと思っていたら「LOUDER」が来たので私が死んだ。あああああって声が出た。

・西澤幸奏。「LOUDER」で燃え尽きてたらサイレンが鳴ったので蘇生しました。ゲーム主題歌ですがアニタイではない「Break Your Fate」やってくれて、今の西沢幸奏を2万7千人に見せつけてくれたのは良かったです。いやほんと幸奏カッコいいんですよ。あと「帰還」を聞きながら私の記憶より歌上手いなと思っていました。鈴木このみとの仲良しコラボはツインギターだったのですが、ギター弾いてもあくまでボーカリストという印象のこのみんと、ギターボーカルという印象のしえなが対照的で面白かったです。あとあのラフにパーカー羽織ってギター弾いてるのちょっと最高でしょ……。

早見沙織。あ変わらずびっくりするほど歌が上手い。竹内まりや作の新曲「夢の果まで」は、昭和ポップスを完璧に歌いこなしていてちょっと言葉もないです。本人主演のアニメ映画であれを主題歌ってどんな才能だ……。

田村ゆかり。色々と心配されたゆかりんですが、時の流れに抗うかのような変わらないゆかりんのステージを見せてくれてやっぱり凄いわと思いました。連続出場を伸ばしたmotsuがシクレで来ての「You&Me」、やっぱり最高に楽しい。あと、王国民の皆さまが、ピンクのハッピを着て集ってるの、相当エモかったです。

茅原実里。セトリが完全に殺しに来てたというか、SOS団を受けての「雪、無音、窓辺にて。」はイントロで崩れ落ちました。そしそこから「SELF PRODUCER」、「Paradise Lost」は私の一番好きなみのりん曲連発でやばかった。叫んだ。

・FLOW。相変わらず最高に楽しいです。他に何も言うことはない。アニソン縛りライブ、行きたい。

GRANRODEO。ドラムが変わってめっちゃドコドコしていたのが印象的。あんな低音ゴリゴリで音圧強かったっけ? と思いつつ、ああいうの好きです。良かった。

 

8/26

angela。「全力☆Summer!」楽しかったです。atsukoさんのトランプサンドイッチマン衣装とkatsuさんのバナナの被り物で笑いました。あと最後の挨拶の時にカードマジックしてたのなんだったんだろう……。

・KING OF PRISM。「ドラマチックLOVE」を聞いて、あれ私こんなにキンプリ好きだったっけ? と思いながらコーラス部分の声を張り上げていました。そしてその後まさかの本家TRF DJ KOO登場で、「EZ DO DANCE」は最高としか言いようがなく。

i☆Ris。貫禄出てきたなあと。パワーバラードな「イチズ」を切り札ですと言って最後に持ってきて、あれだけ歌い上げていたのはちょっと凄いと思いました。後日配信で曲を聴いたけれど、レコーディング当時とはもう全然別物でした。

・波多野渉。ユーリの曲はもちろんですが「ハートシグナル」めっちゃいい曲だなあと思いながら聴いていました。あと後半に鈴村健一とのコラボで「英雄」がきたのほんとめっちゃ熱かったです。あの曲好き。

中島愛。とても良い感じに大人びたなあという第一印象から、当時と変わらぬ「星間飛行」のパフォーマンスになんだかぐっとくるものが。

・スフィア。活動休止前最後のアニサマに、最高のセトリをもってきた感じ。聞けなくなる前に「MOON SIGNAL」のサビでもう一度飛べたのが嬉しかったです。

プリキュアはべいがめっちゃ楽しそうに歌っている……と感慨深い気持ちに。あとまさか草なぎ君の娘役でランドセル背負ってるのをドラマで見ていた美山加恋を、アニサマの舞台で見ることになるとは、人生とはわからないものだと思いました。

・Minorin Mimorin。ダジャレかよ!!

蒼井翔太。ビジュアル値がバカ高い……ボーカル値も高い……と思っていました。あと曲の途中で声を変えるやつ、声優でもあるんだなあと変な感慨を。

・fhana。本当に曲のクオリティがめちゃくちゃに高いなあと改めて。ステージ上をメイド喫茶にして劇団fhanaと化した「青空のラプソディ」、みんなで踊ってハッピーになれる素晴らしい曲だと思います。単独ライブ行くしかないと決意。

氷川きよし。シークレットで出てきて、誰だ??? って思ってたらドラゴンボールであああああと。赤いレザージャケット着こなして謳っているのやたらめったらカッコよくて、そりゃあお婆ちゃん方はメロメロだわと思いました。そして音程が全くぶれない歌の上手さも凄い、トークも上手い。超一流は畑違いの場所に来てもやはり違うものだと実感しました。ズンドコ節を一節歌ってくれて、きよし!!! と叫べたのとても良い経験でした。

・ミリオンスターズ。「Dreaming」から始まって、メドレーが来ることは予想してたものの「カーニヴァル・ジャパネスク」が流れ出した瞬間に、これはもう初見にはこんな歌があるよ以上の何かをする気はないなと理解しました。P的には最高のメドレーだったよ誰が「アイル」なんて聞けると思うかよ!!! やっぱり私アイマスのPなんだなと思うと同時に、こういうフェスだとジャンプしてもクラップしても大丈夫なの最高に楽しい!!!! とPらしくないことも思いました。いやほんと楽しかった。

・frpSide。正直疲れ果てていたんですが、やっぱりどの曲も盛り上がるよなあと。南條さんの声が太くなったというか、しっかりしたことで良くなったなあと思います。

 

8/27

上坂すみれキングレコードのシモネタ担当。「Inner Urge」のお前何歌ってんだ感と最高に盛り上がるSOXコール、やっぱり良いなあと。

・SideM。周りが知らない分315に盛り上がっていこうと頑張った。メドレーはムンナイも例によって最高でしたが、やはり歌SEMが最高に楽しかったです。周りが誰もやっていなくてもダイナミックにタケノコダンスしたよ。後半のBプロと比べると、同じ男性アイドルものでも、SideMは少年漫画の女性受けするキャラクターっぽくて、Bプロは少女漫画の女性受けするキャラクターぽいなと思ったり。

奥華子。なにはともあれガーネット弾き語りですよ。歌いだした瞬間、ああ本物だ……ってなってずっと鳥肌がたっていました。近所のおねーさんがはしゃいでいるみたいな佇まいでめっちゃ好感度高かったのですが、歌声は本当に唯一無二の人だなあと。

小倉唯。キントリの映像見た時から分かってはいたんですが、生バンドの小倉唯はヤバい。今まではずっと完成度が高すぎてショーケースで踊るお人形みたいだなと思ってしまって興味を持てずにいたのですが、生バンドのゆらぎと合わさることで一気にこう血の通った輪郭が見えてくるというか、凄く本人の魅力が引き立つなと。とにかく生バンド従えて踊っている姿がヤバかったです。この沼は深いと分かっているんですが、かなり危険が危ない。

ZAQ。一人口笛を吹きながらの登場からの「Last Proof」。そしてその後のMCで語ったアニサマへの思い。テーマソングを作って3日目の前半トリをもらって、そこから歌う曲がデビュー二作目の「Alternation」、そして中二病コラボ(真礼&すみぺ)での「Sparkling Daydream」と自分がもてるカードの全てをアニサマに切ってきた感じ、ちょっと凄かった。というかファンとしては端的に死にました。

そして、今回のテーマソングはアニサマの客席からステージ、そしてテーマソングの作成まで来た本人の想いが込められた曲になっているというようなMCを経て、最後のテーマソング歌唱で「次は君の出番だよ」と客席に歌うZAQさん最高にエモかったです。

B-PROJECT。目の前をトロッコが通っていったんですが、加藤和樹さんちょっとあれヤバいでしょ。私が女だったら惚れていた自信があるレベル。あとタクヤシロさんのトロッコが目の前で止まったのも最高にヤバかった……。

・WUG。いやあ「Beyond the Bottom」素晴らしいですね。初期の頃から知っているだけに、ここまでの表現をステージでできるようになったんだなという感慨と、シンプルに曲のストーリー性が強かった。

内田真礼。今回もレスキューチャンスがあって満足。あと最後のテーマソング歌ってる時に全国数万人の内田家クラスタの致死量に達する姉弟の絡みがあったんですけどあれなんだったんですかね!! ドラスタの方に引っ張られてたのをすみぺ取り返すくだりとか破壊力が。映像抜かれるたびに会場で歓声が上がっていたのも面白かったです。

TrySail。すっかり新人さんという空気は抜けて、大人気ユニットなんだと感じさせられるようになって、本当に格が上がったなあと思います。「adrenaline!!!」最高に楽しいキラーチューンだなと。疲れ果てていたんですが、頑張ってしまった。

・LiSA。この後の水樹奈々とこの人は、ちょっと立ってるステージの次元が違いました。歌はもちろん、ちょっとした言葉だとか、所作だとか、そういうもののレベルでステージに立つ人間としての存在感が違う。LiSAは観客を楽しませて自分も楽しむんだということが最高に伝わってくるMCからシームレスにアカペラで入った「Catch the Moment」、そこから大先輩に繋ぐというMCからの「Rising Hope」は流れから何から完璧でした。改めて、カリスマなんだなこの人って。

水樹奈々。3年ぶりのアニサマでも最終日のトリはこの人以外にありえないんだと歌いだした瞬間に理解させられるようなやつ。歩いてきた道が、背負ってきたものが、分できた場数が違うんだと強烈に見せつけられるようなステージングで、曲が終わるたびにやっぱりすげえ……以外の言葉を失ってました。あの歌いだした瞬間にSSAが狭くなるような感覚、いや、本当に凄いですね……。アニソンというカテゴリのトップに立つ人は2017年現在もこの人なんだと実感しました。凄かった。