13-10-13

鈴鹿での日本GPを自宅観戦して、今年は最後まであちこちでバトルのある面白いレースだったなあと。しかしベッテルの第2スティントが神がかっていてなんとも。グロージャンは最高のレースをしたと思いますが、あれだけ走ったタイヤであのタイムで走られたらもう……。
しかしグロージャンも最初のF1デビューは目立つこと無く終わり、下位カテゴリーから再び這い上がり、去年は事故を起こしまくって批判を浴びてシートも失いかけ、それで今年ここ数千の活躍まで来たと思うと感慨深いなあとは思います。ただ、去年のアレは擁護しようがないのも事実ですが。
そしてテレビで見ていると、もう一度あの鈴鹿の空気を生で感じたいなあと思います。凄いお金がかかる上に、交通やら天候やら大変なのはよく知っているのですけど!


野球は、CSなんて無かったという感じだったのですが、桧山の代打2ランで全てが許されたような温かい気持ちになれたよね、みたいな。現役最後の打席で2年ぶりのホームランとかもう、言葉も無い。

ファンタジスタドール イヴ / 野崎まど

読み終えて、アニメのページを思わず二度見したよね、うん。
ハヤカワから野崎まどがという時点で決して普通のものは出てこないだろうとは思ってはいたのですが、それにしてもこんなものが出てくるとも思っていませんでしたという一冊。アニメのファンタジスタドールは何話かは見ていて、その前日譚に当たる話なのですが、スピンオフではなくてファンタジスタドールというプロジェクトの中の切り口の違いなんだという谷口悟朗の解説に納得です。
そんな訳で、ファンタジスタドールを作った男の物語、なのですが。いつもの野崎まどとはまたうってかわって昭和文学のような文体で描かれる近未来、物質に傾斜を与えるというアイデアから広がるSFと、少年の頃に見た女体に魅入られて懊悩しながら生きる男の内省的な話が、一つの物へと形作られていくという作品。解説でも言われていますが性を扱いながらぎりぎりで下品にならずに、SFでありながらそこは分からなくても読むことはできて、じゃあ何だというと説明しがたいのですが、何か惹かれるものはあるような気がするというか、なんというか。
大真面目な文章でいつも入るギャグ的なものも無いまま進んでいく取り憑かれて踏み外した男の狂気の物語のようで、最後にかましてくるネタから続く先があのアニメというところまで含めて壮大なアホ小説のようでいて、最後の最後に仔細な年表(しかも研究施設の写真までついてる!)を持ってこられたらどうすればいいんだこれとなる訳で。こんなものも書けるのだという野崎まどの器用さと、こんなものを書いてしまうのかといういい意味での頭のおかしさを存分に味わえる一冊ではありました。
そしてアニメのサイトを見て、これの果てにこれが出来上がったのか、と。
あの友情いいはなしっぽい最終回があったのかと。
なんというか、アイカツとかプリキュアのような女児向け作品の裏に、それを形にするまでの変態たちによる特濃プロジェクトXがあったことを見せられちゃった、みたいな。
あと、そういう感じの作品の空気というか流れではないのはよくよく分かるのですが、中砥さんは主人公を力いっぱいひっぱたいてもバチは当たらなかったと思います!