アフターダーク / 村上春樹

アフターダーク

アフターダーク

父親に借りたのがもうだいぶ前で、読むのに1ヶ月近くかかったって言う事が、私が単純にこの小説に興味をもてなかった事実を端的に表してる気が。
さて、どこが面白いのかさっぱりわかりませんでした。面白くなくても深いテーマ性があるのかもしれませんが、それもよくわかりませんでした。読解力が足りないのか。やっぱり日本の子供の学力低下か。
話は「私たち」という視点が夜の街の数人の人々の様子を追いかけ続けるもの。ひたすら客観的な感じの描写は、多重音声のドラマの解説の音声を聞いてるような感覚を受けました。淡々とした感じを、無機質で冷たい感じの文章が増徴させてます。この温かみやリアリティのなさが都市的な空虚さなのかもしれません。何か欠落したような感じで。ただ、私たちの視点は多数の地点を飛び回るのですが、そこで起こったことがあくまでも起こったこと以上のものに思えなかったことが、この小説に興味を持てなかった理由かも。感情的な介入の余地も、物語の盛り上がりも感じなかったというか。抽象的な部分は、何か解釈しようと思えばいろいろな解釈ができるような気がしますけど。