ファウスト vol.3

やっと読み終わりました。長かった…。文字の小ささと字体をころころ変えるのは勘弁して欲しいものです。もうvol.4の出てる雑誌ですが、vol3の一言無責任放言感想です。分量が多いので、気になったところだけですが。


佐藤友哉の人生・相談 / 佐藤友哉
ハイテンション自虐型コラム。もしかしたら一番面白かったような。心中未遂。この人の本が読みたくなりました。
The world is full of angry young man. / TAGRO
マンガ。絵と空気がすごく好きです。大人になりきれない大人たちと大人になりたくない子供の話。直球。「大人たちの諦観と子供たちの怨嗟」極論だけど、ある種納得。
ECCO / 滝本竜彦
痛い。男の子の方も女の子の方も痛々しいったりゃありゃしない。ただ、なんかわかるんだよなぁ、これ。なんでだろう。
零崎軋式の人間ノック / 西尾維新
戯言シリーズ番外編。こういう風にこのキャラ使って書いたら面白いだろって作者が言ってるようでなんかヤなんですが、確かに面白い事は面白いです。ちょっと演出過剰な気もしますけど。りすかのほうはいやな感覚ばかり残るのであんまし。ただ、一定のレベルできっちり面白いものを書くって言うのは、この人すごいと思います。
駒月万紀子 / 舞城王太郎
畳み掛けるような文体。勢いあり。次郎に関してはこれだけじゃなんとも。頭が開いたのにびっくり。こっちの口が開きました。
虹色のダイエットコカコーラレモン(短縮版) / 佐藤友哉
こっちも畳み掛けるような文体。印象はだいぶ違うけど。感情を吐き捨てるよう。登場人物が極端で短絡的な気も。短縮版じゃなくなるとどうなるんだろう。
ワールドミーツワールド / 元長柾木
違う世界の男女が出会うボーイミーツガール。普通に面白いですが、もっと感情を掘り下げて欲しかったような。ファンタジー。ちょっと話が薄い?
DDD JtheE / 奈須きのこ
確かに面白い。ただ、設定過剰気味な荒唐無稽エンタの割に難しい言い回しするとか、そのくせ崩れた文章多用するとか、結構違和感あり。最後の話は蛇足な気も。
サウスベリィの下で / 原田宇陀児
繊細な感じのする文章の雰囲気は好き。ただ話が圧倒的にわからない。シャーロックホームズを例に出しつつ探偵小説を書くことについての話に収まった感じ。その前の作家がどうとか姉との関係がとかいう話は、正直理解超越。何の意味があるのかよく分からず。濫用されるカタカナルビとなんか違和感のする会話文も難点。
メタリアル・フィクションの誕生 / 東浩紀
九十九十九が読みたくなりました。現実/虚構の二項対立から、第三の視点って話はわかるのですが、選ぶ人による選択的なリアリティっていうのは、結局虚構のほうに寄ったものになってしまう気がしました。それが現実から離れている以上。


残りでは西尾維新インタビューが面白いです。あと、宇山日出臣インタビュー。身内褒めな気もしますが、裏話は単純に興味深いものがあります。
全体通して連載やシリーズが多いので、なんとも言い難いものがありますが、かなり独自の色を持った面白い雑誌だと思いました。色が濃すぎて疲れますが。全体的に思考が歪んだ感じがしますし。
ファウスト系と呼ばれる作家たちの本は結構波長が合うかもしれません。とりあえずそれぞれの代表作は読んでみようという気になりました。
新伝奇の3人は皆ノベルゲーム出身なんですね。奈須きのこは知ってたんですが、残り二人は知らなかったです。確かにゲームっぽいかも。全体通してリアリティのある話の少ない雑誌ではありますが。ちなみにノベルゲームは分岐するので嫌いです。これだと思う一本のストーリー書けよって思うので。