しおんの王 4巻 / かとりまさる・安藤慈朗

しおんの王(4) (アフタヌーンKC)

しおんの王(4) (アフタヌーンKC)

面白いマンガになったなぁと思います。
参加資格の無いトーナメントということで、古株の男子プロから現役名人、小学生にアマチュア、そして主役の女流棋士3人と様々な人間達が出てきて、それぞれがきちんと描かれていてなかなか。こういうありえないトーナメントが出来るのがマンガの面白いところだと思いますし。神園九段が少しの見せ場で強烈な印象を残してくれました。渋いです。ラストのセリフは反則。
後はしおん関連の話。当初はサスペンス要素と将棋要素がどうにも喰い合わせが悪い気がしてならなかったのですが、ここに来て非常にこの二つの要素が非常に上手くリンクしてきました。小学生がネット将棋で教わったしおんに勝つおまじないの「額に王様」から、羽仁弟への疑惑まで、きっちり将棋の対局に絡めつつサスペンスを進展させていくのが素晴らしいです。そして、対局も将棋が良く分からなくても面白いし、サスペンスの方も面白いので文句はありません。
相変わらず目に強さを感じる絵が好み。それぞれの対局中の真剣な表情が格好良いです。しかし、この人は女の子キャラより男キャラを描くほうが上手なのではなかろうか、と羽仁兄弟を見ていると思います。
この先の非常に楽しみですが、こう普通に面白いと歩周りの突飛な設定が悪い方向に作用しないかと言う点だけが心配です。キャラ立てとしては非常に有効だとは思うのですが、明らかな飛び道具なので。
満足度:A