xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル / 西尾維新

×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

DEATH NOTEはかなり素直な作りで、DEATH NOTEは好きだけど西尾維新は知らないもう50歳を超えたうちの父君から「面白かった」という好意的な反応を得たほどなのですが、こちらは多分原作をちゃんと知っている上で、さらに西尾維新ファンでないと楽しめないのではないかと感じました。なんだかすごく間口が狭いような気がします。
3話構成で、最初の2話は原作らしいテイストの話。人間の心の闇の部分に少しだけ切り込むような話で、四月一日と侑子さんの会話がまさしく原作そのままです。侑子の底の見えないキャラも魅力的です。百目鬼やひまわりはでてこないので、原作のこの辺りのキャラの掛け合いが読みたい人にはちょっと物足りないかもしれませんが、そのほかの部分は概ね楽しめました。
問題は第3話。STADIO VOICEのマンガ特集でのインタビューで「最終回を代わりに書いちゃって欲しい」というオファーを受けたと語っている通りに、第3話は西尾維新的なホリックのテーマに西尾維新的に切り込んだもの。四月一日にいかにも西尾維新っぽいキャラクターが脅しのような協力要請のようなものをしてくるという内容で、この会話が戯言風味で西尾色全開。結構原作の世界観をを壊しているような気がします。先の2話でこの本は原作が好きで読む人間が楽しめるようなものかと思わせておいて、この話はないんじゃないかなぁというのが正直な印象。この印象を持ったのは、四月一日と化町の掛け合いが全く楽しめなかったというのがあるかもしれません。この人の書く戯言はハマれば面白いのですが、今回のようにハマらないとひたすら鬱陶しいのだなと実感しました。私自身が西尾維新という作家をどう捉えるかを、少し考え直した方が良い時期が来ているのかもしれません。
満足度:B-