かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜 4巻 / あかほりさとる・桂遊生丸

相変わらず微妙なバランスの上で成立してるとは思います。
はずむがとまりとやす菜を選択をしないままに三角関係が成立して、しかもそれがまるで当たり前のように見えるマジック。はずむの男から女へという変化でもっていたのが、今度ははずむの定められた死でもっている感じになりました。それ以前に、外側から見るととんでもない設定が山積みになっているはずなのに、ごくごく自然に話が進んでいく辺りがすごいのかもしれません。
話ははずむがもう何の違和感なく少女化して、少女3人のもつれた感情の百合モノっぽくなってきました。たまに男だったと言う設定を引っ張り出してるので、まだ引っ張るのかもしれませんが、読んでる限りそんなことは忘れそう。この辺ははずむの寿命が残り少ないと言う爆弾が投下されたことによるものが大きそうです。その現実にはずむが、とまりが、やす菜がそれぞれの思いで立ち向かい、あるいは逃げ出す様子の繊細な描写が光っています。この辺り描写ののリリカルさはなんだかすごく少女マンガっぽいです。個人的に桂遊生丸のセンスは大好き。
特に、はずむが全てを一人で抱え込んで、友人の心にだけ残る形で消え去ろうと悟ったような顔をしてていたのが、その傲慢さに気付くという過程が素晴らしく良かったです。受け入れられない現実から逃げ続けるとまりの描写とかもなかなか切ない。この運命にこの子達がどうやって向き合うのか、クライマックスになるだろう次の巻へ断然期待感が高まります。
満足度:A