学校を出よう! / 谷川流

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

谷川流ハルヒと絶望系しか読んでいなかったので、これにも手を出してみました。
今までハルヒがこの人の作風だと思っていたのですが、どっちかというと絶望系よりなこっちの路線が本性な気がします。このやけにSFっぽい設定と開いた口がふさがらない不条理さ。もしかしたらこの人は、ラノベの枷を外すとエログロナンセンスっぽい方向に走るんじゃないかぁとか思ったり。
話はどうにもとらえどころが無いというか釈然としない感じでした。EMP能力という超能力を持った少年少女が隔離された学園に、妹の幽霊が取り付いているせいで入っている少年が主人公。その双子の妹の生きている方とか、学園の変人過ぎる生徒達とかとの掛け合いと、学園外で発生した想念体と呼ばれるものによる超常現象の解決といった感じ。ただ、どうにも腹の立つキャラクターに主人公が振り回されているだけで、うんざりしている主人公と一緒になって読んでいるこっちがうんざりしてしまうというのはどうにかならないものか。話自体も世界の改変という裏ハルヒ的なものなのですが、全てのキャラクター通してどこからどこまで嘘でどこからどこまで本当なんだか分からないとらえどころの無さで、いまいち入り込めないのがなんとも言えない感じでした。面白くなりそうなのに、読んでいて面白くないというのは困ります。なんだかシュールな印象。ハルヒが特別優等生的に作られているだけで、これがこの人の持ち味だという感じはしますけど、私にはちょっと合わないかな。
でもこれ、2巻から面白くなるという評判もよく聞くので、ここで切ってしまうのは早計に過ぎるのかも。
満足度:C