Future-Fiction:AKIBA-POP!! / MOSAIC.WAV

Future-Fiction:AKIBA-POP!!

Future-Fiction:AKIBA-POP!!

道は与えられるものじゃない 踏み外すための助走(ランナップ)ゾーン

大好き。それ以上の賛辞がこの世にあって?
MOSAICの3rdアルバムは期待を裏切らない出来でした。「ふぉるしぃ」や「ふぃぎゅ@」関係の2曲というキラーチューンをもうシングルで持っているため、破壊力という面ではどうかなと思ったのですが、いやもう全然そんなことはなく。
雰囲気的には、勢いと元気が特徴的だった前作より落ち着いた雰囲気。ただ、これを大人しいと言ってしまうのは何か違うような気がするので、難しいところ。電波度合はそこまでではないと思うのですが、最近電波ソングに対して「電波である」という感覚を抱かなくなってきた私の判断なので全く当てになりません。曲調が意外と広い辺り、意外と引き出しが多いという印象も。引き出しそのものよりも、この歌詞とメロディーとアレンジを生み出す発想力こそ驚異的だとは思いますけど。
曲は「みなみのしまのふろーね」に爆笑。相変わらず歌詞のレベルが高いです。南国っぽさのあるメロディーに、南の島での生活を歌う歌なのですが、南国での生活に未だかつてここまで後ろ向きな歌はなかったんじゃないかと。なんだかんだでデジタルな生活を「お金かかるけど充実してます」と言い切っちゃう主人公にシンパシー。
そして後ろ三曲は、「未来と秋葉原」なアルバムテーマに沿って、小池雅也、山頭水、柏森進という最近のMOSAICでメインに曲を作っている3人の作品。こうやって並べた中では、やっぱり柏森進の曲が好きというのが実感。MOSAICといえば「未来に向かって全肯定!!」というイメージのある私としては、どこかテクノロジーと人間を相対するもの的に扱う前二曲はらしくないなぁと感じたのでした。
そして「AKIBA-POP the future」なのですが、素晴らしい以外に何を言えと。オタク文化だとかデジタルなものだとか、科学の進歩だとか、そういう秋葉原的なものに対して、自嘲や皮肉を交えつつも、無防備で危うさすら感じるほどの憧れと愛情が目いっぱいに詰まっているのがMOSAIC.WAVの素敵なところだと思うのですが、この曲はまさにそういう歌。愛情いっぱいの賛歌。なんだろう、ちょっと泣けた。
大好きです。本当に。