かんなぎ 3 / 武梨えり

かんなぎ (3) (REX COMICS)

かんなぎ (3) (REX COMICS)

どうして今まで積んでいたんだ!
1,2巻が出来はいいと感じながらも、少しストライクゾーンから外れていたので後回しにしていたかんなぎですが、この巻はなんかもう素晴らしいとしか表現のしようがありませんでした。前半のコメディパートにニヤニヤが止まらず、後半のシリアスパートに引き込まれる。そして全編を彩るラブコメフレーバー。なんて理想的。
前半は、勘違いが原因で大鉄×仁の疑惑が広がったり、つぐみが幼馴染属性をフル稼働させた上で逆湯上りイベントを発生させ、そこから女三人で仁の恥ずかしい話談義が始まったり、疑惑を晴らすためにざんげちゃんとつぐみが仁に近寄ったら、むしろ誰でも良いんじゃないか疑惑が仁に持ち上がったりと、これだけの展開がたった二話に詰め込まれているジェットコースター展開。モテ期というか、総受けっぽい仁の振り回されっぷりが可愛かったり、つぐみが良い幼馴染だったり。キャラクターがしっかりしてるし、コメディとしての切れも良いです。カップリングネタは面白いのでもう少し引っ張ってくれないかなぁ。
そして幕巻に変態具合がエスカレートし続ける貴子のカラオケタイム。これはキモい。
後半に入ると、ナギに関する謎をめぐって話はシリアスに。このあたりの雰囲気の切り替えも巧いと感じました。実のところ何の記憶も持たないナギが迷い、家出をし、それをナギの大切さに気付いた仁が迎えに行くなんてなんという王道展開。クオリティの高い王道展開の破壊力の高さをまざまざと見せつけられました。そして間髪入れずまたしてもベタなイベントからラブコメ方面が進展。うーん、抜かりがない……。
私的には文句のつけどころがなかった一冊。存分に楽しませていただいたので、次の巻も楽しみに待っています。
満足度:A