角川歴彦の憂鬱(日経ビジネス10/22号)

http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/backnumbers/index2.html
パラパラと何気なく日経ビジネスをめくっていたら、まさかのハルヒネタにびっくりしました。知財特集でYouTubeを扱ったもの。「涼宮ハルヒの憂鬱」がメインで取り上げられています。
内容はコンテンツ産業界の大企業、しかもライトノベル、コミック、アニメ方面に強さを見せる角川グループの総帥がYouTubeに対しての考えを語った記事として、アニメやネットに親しみのある人には一見の価値はあるかと思います。
YouTubeにアップされる著作権を侵害する動画に対して「酷すぎて怒りを通り越して笑っちゃう」と述べながらも、自分たちが仲間にしてきた「コミケ文化」のネット版であるYouTubeを何とかして認めたいという言葉は、多大な著作権侵害を受けながらも、ハルヒが世界に広がり、多くの消費者が楽しんでいる状況に対しての、偽らざる言葉なのかなと。
この記事でも触れられていますがハレ晴レユカイダンス動画は世界のハレ晴レユカイ - YouTubeのように世界中から投稿されていますし、http://www.new-akiba.com/archives/2006/12/post_5784.htmlのような嘘のような本当のことがおこり、アメリカでは小説・コミックの販売、テレビ放映なしの純粋なネット効果で、ハルヒDVDの1巻は6万枚を売り上げたそう。この状況の中で、角川のようなコンテンツホルダーがこの御しがたいネットの世界にどう向き合うのかは興味深いところ。
この記事を見る限り、角川グループは権利者にきちんと利益が分配される仕組みを作って、YouTubeとの共生を図っていくようで、発言は極めて前向き。ニコニコ動画に関しても、同じような仕組みを広げたいらしいです。
YouTubeという新しいものに対して「日本のコンテンツ産業は売れる環境があるのに、売りに行っていない。怠慢ですよ」と述べる言葉が、もう後戻りはできないだろうネットを取り巻く現状の中で、権利者と消費者が共に幸せになれる道への第一歩となればよいと、一消費者として心から願います。