バカとテストと召喚獣 3 / 井上堅二

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

あぁもう、どうしてお前らそんなに楽しそうなんだよ!
相変わらず最高にバカだったバカテス3巻。今回のイベントは合宿で、学校の合宿らしい何とも言えない高揚感があって本当にこの上なく楽しそうでした。なんというか、読んでいて高校生に戻りたくなる感じ。
しかしまぁ、学力強化合宿と銘打ったところで、この小説が行儀よくお勉強をしているだけの小説になるわけもなく。やることは「覗き」。1巻丸ごと使って「覗き」。ターゲットは勿論「女風呂」。しかもいつの間にか男子の大群vs女子&教師連合軍の争いという大事に発展して、何をそこまでと突っ込みたくなる異様な盛り上がりを見せます。でもやろうとしていることは「覗き」。まさにバカ。
ちなみに雄二と明久を脅迫した犯人と、覗きの冤罪を被せた犯人を捜し出すというストーリーはちゃんとあって、しかもどうせこいつが犯人だろうとタカをくくっていたらしっかりきっちりと騙された私ではありますが、バカなことを全力でやる様子をと、キャラ同士のハイテンションな爆笑の掛け合いに、なんだかその辺りはどうでも良いような気がしてきてしまうのでした。
キャラ同士の掛け合いという意味では、1巻のころから比べても段々とエスカレートしていっている感じで素晴らしいです。いつの間にか皆が女の子扱いするので、読んでいる方も「アレこの子女の子だっけ?」と混乱してくる秀吉とか、大人しくてまじめだった子が積極的になったとかそういう次元ではなくて、力強く変態への一歩を踏みしめ始めているように見えて仕方がない姫路さんとか、ホモ疑惑がつきない上に女装の似合う明久とか、キャラクターの方もどんどんエスカレート。他のキャラクター達も皆で良い味を出しすぎです。
そして着実に進展していたラブコメ模様もここにきてフルスロットル。この引きはまさに凶悪。火蓋の落とされた争奪戦の行方が気になって仕方がありません。
しかしこの小説、一番かわいいキャラクターって実は明久なんじゃないかと。読んでいて「バカな子ほどかわいい」をここまで体現してくれるキャラには、そうそうお目にかかれないと思うのです。