F1 オーストラリアGP

近年稀に見る荒れに荒れた開幕戦。制したのは昨年のリベンジに燃えるハミルトンでした。
チェッカーフラッグを受けたマシンが7台。完走扱いが9台。さらにそこから失格が1台というサバイバル。コースアウト、クラッシュ、接触は数知れず、セーフティーカーは3回も入りました。正直、ここまで荒れるとは。
それにしてもTCSの力の大きさを改めて実感する3日間。マシンをスライドさせる回数や、コースアウトの回数が目に見えて増えていました。誰もかれもスムーズに走っているよりも、こっち方が見ていて面白くはあるのですが。
特に酷かったのがフェラーリ。予選でのトラブルからケチがつき始めたライコネンが、決勝でもコースアウトやスピンを重ねた上に、最後はトラブルで姿を消すという。マッサの方も接触にトラブルと似たような展開でリタイアですし、最後はデビュー戦で4位入賞が見えていたボーデフェラーリエンジンが壊れるというおまけ付き。ジャン・トッド離脱の影響とは思いたくないですが、いつものイタリアチームに戻ってしまう前兆のように見えてちょっと怖いものがあります。
逆に万全だったのはマクラーレンコバライネンセーフティーカー絡みの不運で5位でしたが、ハミルトンは盤石のポールトゥウィン。これは今年のチャンピオン争いはこの人とライコネンに絞っていいのかも。
そして2位に入ったのはBMWハイドフェルドBMWは失敗作と囁かれていましたが、テストでは三味線を弾いていた模様。セカンドグループから一歩抜けているのは相変わらずのようです。3位はウィリアムズのロズベルグでこれも下馬評通り。ロズベルグの速さ、強さは本物。今年はやってくれるかも。4位に入ったアロンソはもはやさすがとしか。
そして日本期待の中嶋一貴は、予選でロズベルグに大きく負け、決勝でもクビサと接触するなど褒められる内容ではないものの粘りの走りで6位入賞。開幕戦から幸先の良いスタートで、これで肩の力を抜いて走ってくれると次から期待できそうです。
ルーキーは皆苦労していた感じですが、チャンプカー4年連続王者ボーデのレース巧者ぶりが印象的。逆にピケJr.は、本当に何もいいところがないままメルボルンを去りました。あそこまで遅いと、ちょっと心配。
あとは、ロス・ブラウンの強気発言を裏付けるホンダの意外な速さとか、トヨタの好調さとか、琢磨の限られた条件下で最大の力を引き出す走りとか見どころの多いレースでした。
来週のマレーシアでフェラーリの逆襲はあるのか、大混戦のセカンドグループのバトルはどうなるのか、TCS無しのレースはやはり荒れるのか、注目です。