ソウルイーター 11巻 / 大久保篤

ソウルイーター 11 (ガンガンコミックス (0801))

ソウルイーター 11 (ガンガンコミックス (0801))

「マカ、勇気を」
「うん!!」

B・J殺し容疑をかけられマリーとともに死武専から逃走するシュタイン、居なくなったクロナ。死武専vsアラクノフォビアの対立をメデューサがかき回す構造はそのままに、今回はひとまず本筋から外れたエピソードとして、課外事業として廃工場を調べにきたマカとソウルの話がメイン。
その工場には形を持った狂気である道化師が潜んでいたわけですが、このマカ&ソウルvs道化師が熱かった。道化師の狂気感染によって狂気に呑まれそうになるマカを繋ぎとめるソウルの言葉、そして音楽。狂気の誘惑とそれに立ち向かう魂の強さというこのマンガがずっと描いているテーマがシンプルに出ていて非常に良かったです。見ているだけで不安定になるような道化師のデザインもいい感じ。
このマンガの場合、ストーリーよりセンスで押していくという印象があるのでノりきれない時は苦しいのですが、今回のようにハマった時の爆発力は凄いと思います。はちゃめちゃな動きを見せる工場や、オックスの動向みたいなシリアスから外れた部分も面白かったですし。
後半からはキムの話。意外な設定が明らかになったわけですが、後味の悪い話にはならないで欲しいなと。
アニメ化ということですが、作画や音楽にこだわれば独特で面白いものになりそう。スタッフ的にも期待が持てそうなので楽しみです。