生徒会の二心 / 葵せきな

「会長、会長」
「……なによ、杉崎」

「やらないか?」

「やらないよ!」

分かる人にしか届かなくて良い!という感じの大胆なオタクネタに、逐一反応してしまう私の一本負け。
相も変わらず生徒会室で駄弁り続けるだけという小説なのですが、キャラクターが固まってきたことと、ネタの勢いが増してきていることとで、かなり面白くなってきました。基本的にボケに対してツッコミが入るというシンプルなハイテンションギャグなのですが、ネタが良い具合にアレな感じで、それがまた面白いという。なんにしても、生徒会全員からいじり倒される会長は面白いです。見事なまでにからかいがいのあるキャラです。しかしそれよりも、腐女子キャラとして進化が止まらない真冬の将来性に期待大。
話としてはそんな感じなので特に何事もないのですが、一応裏で動いているストーリーはあるみたいで、この巻では新キャラが登場。あと、シリアス展開を見せたりもするのですが、どうもこの作品のシリアス展開は合わないみたいで何とも。杉崎が書いているという設定からくるものなのかもしれませんが、思想色が強まった時の自己正当化している感じに、なにかイラっとくるものが……。
とはいえ、それを合わせ見てもギャグ部分の破壊力で十分に楽しめました。願わくば次の巻からは、真冬のカップリング妄想をもっと前面に押し出す感じでお願いします。そのために杉崎と絡ませる新男キャラが生徒会に必要だと思うのですが、そうなると杉崎のハーレム計画がとん挫してしまうので、ここは女装キャラが求められていると思うのです。無駄に可愛くて会長がそれを見て凹んだりすれば一石二鳥! 
……いや、私はマジですよ?