バカとテストと召喚獣 4 / 井上堅二

バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫)

「うきゅぅぅぅ」と変な音を発しながら10メートルくらい転がっていきそうな程の破壊力を秘めたラブコメでした。これは、ちょっと凄いじゃないですか。
誤解告白メールから突然のキスという3巻の強烈な引きから始まるこの巻は、美波と明久の関係を軸に、美波大好きな美春が突っかかってきたり姫路さんが複雑な反応を示したりのノンストップジェットコースターラブコメディ。
いい加減鈍感を通り越してきた明久のせいで、最初から最後まで修羅場っぽいというか修羅場な感じが止まらないのですが、そこはドロドロさせずに、それでいて振り回され揺れ動く心模様を描いているのが素晴らしいと思いました。その反面バカ成分が減っていて、それはそれで残念でもあるのですけど。
さて、その恋模様ですが、今回はやっぱり揺れまくる美波がメインヒロインな感じ。キスから始まり、読んでる方が恥ずかしいいちゃいちゃモードを見せたかと思えば、誤解と分かってからの色々絡まったような怒りとか、お姫様扱いされる姫路さんへの嫉妬とか。そんな最中クラスの事情で明久と恋人同士を演じろなどといわれて、明久視点だから見えはしないものの、一体どれだけのものが美波の心の中でグルグルしていたのだろうかと。だからこそラストのアレは破壊力抜群。またしても大変な引きを見せてくれました。
しかしながら個人的には姫路さん押しな感じで。小悪魔モードに入った屋上シーン後の破壊力は特筆ものでした。ペッタンコの子には悪いですが、明久には彼女の方が似合うと思うのです。
そんな感じで次の巻でさらに盛り上がりそうなラブコメ模様。さすがにそろそろ明久が自覚を持ってくるんじゃないかなぁと、そんなこと期待しながら待っています。
しかし、水面下で吹き荒れるアキちゃん旋風(1枚100円)に、作者痴漢にあう(ちなみに作者は男)、さりげなくスク水の秀吉と作品内外での小ネタが絶好調過ぎてなんだか凄いことに……。