バカとテストと召喚獣 5巻 / 井上堅二

バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)

姫路さんはもう早いところ明久を襲っちゃえばいいと思う!
そんな感じのバカテス5巻。今回は頭はいいのに常識は無い明久の姉の襲来で、明久が保護観察処分@自宅になる話。一人暮らし継続を賭けた姉さんの生活チェック&テスト審判に翻弄されて明久が大変だったり、ちょっとケンカしちゃったりもしますが、結局ブラコンシスコンな仲良し姉弟で微笑ましい感じでした。
そしてラブ分も絶好調、というか今回はラブ成分100%。相変わらずスーパー鈍感な明久ですが、身内の範囲を超えたスキンシップを図ろうとする姉だったり、姫路さん&美波のもうほとんど隠していない全力ラブアタックだったり、葉月にも思いっきり懐かれていたり、あまつさえ秀吉に一緒に風呂に入ろうと誘われたりと、多方面から愛されすぎです。そして相変わらずな雄二&翔子に、ここにきて赤丸急上昇なムッツリーニ&工藤愛子とまさしくラブ花盛りな様相で賑やかに楽しい感じ。それにしてもこの作品、女性陣がびっくりするくらい積極的なのに対して、男性陣はびっくりするほど及び腰。とはいえ、 明久は皆に振り回されているのが可愛いので仕方がないところではありますが。
そしてこの作品、からっと明るくて健全な雰囲気を持っているのに、割と躊躇なくボーダーラインを越えていくから油断なりません。主に性別の境界とかですが、全般的に倒錯的かつ開放的な感じがします。ボタンは上二つ外す明久抱き枕カバーだったり、もはやちょっと危ない人じみてきた姫路さんだったり。というかもはや誰が最初に明久を押し倒すかレースな気がしてならない! 本命は姫路さん!
ただ、全体としてみると試召戦争が絡んだりしない分大きな動きがなくて、ちょっと盛り上がりに欠ける一冊だった気も。確かに面白いけど、もう少し何かが進展するとか、何か大きなイベントが起きるとかしてほしかったかなと思いました。
しかし相変わらず絶好調な小ネタの数々。本編中のネタもテストのキレも相変わらずですが、あとがきや作者コメントが絶好調すぎます。なんかもう「女装ネタ」とか「明久総受け」とか、作者がファンの良からぬ声に思いっきり影響されて、スパイラル的に墜ちていってるとしかいいぞもっとやれ、みたいな感じ。ここまでくると、井上先生の萌えキャラ化もシリーズの大きな注目ポイントとなってまいりました。