- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2008/03/20
- メディア: 単行本
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- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/04/23
- メディア: 単行本
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相変わらず志村作品は読むのにパワーがいるというか、読んでいて凄く悶えるものがあります。心の中にある言葉ではあらわせない何かモヤモヤした部分を、的確に突いてくるような感じの何か。
セリフが多い訳でもなく、描き込みが物凄く細かい訳でもないのですが、表情と間と雰囲気と、それから少ない言葉で、キャラクターたちの中でかすかに揺れ動いている何かを確かに感じさせるのは本当に凄いです。
そういう言葉にならないような、でもくすぐったくて叫び出したくなるような何かが描かれているので、基本的に感覚を言葉にしないと消化できない私はこの作品を読むのにエネルギーを使うのかなと思ったり。
物語的には揺れ動きながらも時は進み続け、杉本先輩は卒業し、新入生が入ってきて、あーちゃん兄に恋人ができてといった感じ。登場キャラクターも多くなってきて、番外編を使って描かれる大人たちの関係とか、自然体にさらっと色々なものが描かれていて面白いです。
そしてその中でもガールミーツガールと銘打たれるだけあって、揺れる少女たちの想いは、触れたら崩れそうでもあり、半面強かそうでもありでとても魅力的。特に、ふみちゃんが自分をどう想っているかを意識してからのあーちゃんの反応の可愛らしいこと。そこにラストであの告白がきて、今後この二人の関係がどこに向かっていくのか、動き始めた二人の物語に目が離せない感じです。