よつばと! 9巻 / あずまきよひこ

よつばと!  9 (電撃コミックス)

よつばと! 9 (電撃コミックス)

久しぶりの新刊でしたが、相変わらず素晴らしいとしか言いようのないものでした。
よつばと、とーちゃんと、周りの人たちが過ごす何気ない日常。騒いだり、買い物をしたり、焼き肉を食べたり、気球を見に出かけたり、そんな些細なことの中に、こんなにもワクワクするような瞬間があるということにハッとさせられるような作品になっています。
リアルに描かれた背景にキャラクターたちが自然に溶け込んで、そのちょっとした仕草にリアリティがあって、自分の中にある記憶を刺激して、感覚を呼び起こすような印象。朝早く出発して、目的地で感じる朝の空気の清々しさとか、よつばが台車をガラガラと引きずっているところとか、飴に群がる子供たちとか、凄く身に覚えがある感じがして、そのことがさらにここに描かれた日常を引きたてているのかなと思いました。
話の中では、男3人がくだらない会話を繰り広げる焼き肉の回も面白かったですが、やっぱり気球の話で眼の前一面に気球が浮き上がっていく様子のドキドキ感が印象的。そしてよつば家とお隣の三姉妹の気の置けない感じの仲良しっぷりが、家族ぐるみの付き合いという感じで素敵だと思いました。