境界のRINNE 3巻 / 高橋留美子

境界のRINNE 3 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 3 (少年サンデーコミックス)

高橋留美子のセンスはやっぱり凄いと思った脱力系除霊ラブコメ第3巻。
女子高生のヒロインがいて、訳あり異能者な少年がいて、日常の裏で霊を成仏させるという非日常があって、ライバルの少年が出てきてやり方の違いでぶつかったり、三角関係気味にラブコメしたり。話の大筋だけ取り出せば、こんなに王道な話もない筈なのですが、何故か繰り広げられるのはページごとに突っ込みどころ満載の脱力系コメディ。
シリアスな話になりそうでもことごとくズレているのは、ヒロインの桜の何事に動じない低体温加減や、りんねや翼のこだわりポイントがどこかおかしかったりするせいなのかも。死神のカマが5千円というのも突っ込みたくなる要素ですが、それ以上に決めっぽい大ゴマで「それでもツリがくる」はないだろ! みたいな。登場キャラクターは基本突っ込みどころスルーで、むしろそういうものとして納得しちゃったりするので、読んでいる方がいやそれはおかしいと思わず突っ込みたくなるというこの不思議時空。ただそれが絶妙の間合いと言葉遣いで繰り出されるので大変面白いです。
そんなこんなで脱力系ですが、ストレートに桜に好意を告げる翼の登場で、ラブコメ的展開を期待しても良さそうな気配が微妙に感じられたりもしているので今後の展開を楽しみにしていたいと思います。
それからどうでもいい話ですが、りんねがメイド服女装で魔女っ子ステッキで敵を殴打する展開が違和感なく登場したあたりで、そういえば昔からこんなノリだった高橋留美子は流石だと思いました。