自演乙が勝った!

K-1 MAXの日本大会で長島☆自演乙☆雄一郎がまさかの初優勝。去年新星として日本トーナメントで衝撃デビュー、その後クラウスに秒殺KOされて世界の壁に完膚無きまでに跳ね返され、ここで立ち直れるのかというトーナメントだっただけに、どん底から復活して結果を残した意味のある優勝だったのかなと思います。
試合の内容的にも、今日は本当に今までにないくらい動きが切れていたし、最後まで折れない気持ちも強かったなと。あとはもう、今年こそ世界でどこまで闘えるのかというところのみ。相変わらず動きが大雑把で打たれ強くはないように見えるところもあるので心配もありますが、今日のような動きを見せてくれれば面白い試合がたくさん見られるんじゃないかなと思います。期待!


そして以下は極個人的な感想なので格納。

という感想は感想としてありつつ、個人的にこの人の試合は冷静に見てられないというか、思わず力を込めて応援してしまう何かがあります。正直イロモノで見られるのは当然だと思うし、トリッキーな動きをするファイトスタイルは面白いですが、特別好きな選手という訳でもなかったはずなのに、試合が始まると思わず画面を見つめてしまうし、心拍数は上がるし、決勝で劣勢だった2R以降はもうひたすら祈るように見てしまうような何か。
それはたぶんこの人が、格闘家であると同時に本気でアニメやゲームのようなオタク的なものが好きで、そのことがどう見られるかもわかった上で、それを隠さず、むしろ自分から主張できる人だからなのかなと思います。
私はオタクで、アニメもマンガもゲームも好きで、でもそれはどうしたって、仲間内ではない世間では声高に主張できません。これだけオタク文化が広く取り上げられるようになった今だって、やっぱり逃れよう無くどこか後ろめたいというか、色眼鏡で見られたり笑われたり、少なくとも素晴らしいもの誇れるものだとは思われない空気はあって。でも、自分自身が本当に良いと思っていて、心から好きだと思っているものを、ただシンプルに好きだと主張できないことはすごく悲しいことで。
長島☆自演乙☆雄一郎という人は、対戦相手や観客も含めた周りからのそういう視線も嘲笑も全部引き受けて、それでも自分が好きなものを好きだと言うことに対しては一歩も引かない人なのだと思います。試合前インタビューで桜野くりむのコスプレをすることも、東方の女装コスプレをしてつるぺったんをテーマに入場することも、正直どうなのかと思う部分もありますが、それでも自分がそうしたいと思うことはそのまま実現してしまう人。
そして、格闘家として強さを示すことで、そんな自分に対する周りのノイズを黙らせてしまえる、そのことが何よりカッコよいと思います。「ここで負けたらただのオタクだ」というセコンドからの激は本当にその通りで、あそこまでやっている以上負けた時の批判は量り知れなくて、それでも自らの好きなものを好きと言って、格闘家として勝つことで自分を自分として貫いてしまう。その姿が、世間から弾かれないようにある程度自分を隠しながらオタクをやっている身としては、本当に眩しく見えるし、それを体現しているここに人がいることに、自分も頑張ろうという勇気をもらえます。
私は、長島☆自演乙☆雄一郎選手を応援しています。
この先も、もっともっと夢、見せてください。