ミクの日感謝祭 39's Giving DayProject DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜

透過スクリーンを使って、本当にそこにいるかのように生演奏に合わせてミクたちが歌い踊る、現実と幻想の接点の上にあるような2.5次元のライブ。当日会場に観に行ったのですが、改めて映像で見るとこれは凄いイベントだなと思うことしきり。この21世紀、私たちは、確実にかつて夢見た未来に生きています。
初音ミクが生まれてから3年間、VOCALOIDの生み出したものはたくさんあると思います。その一つが楽器としてのVOCALOIDで、ニコニコ動画という発表の場と巡りあい、VOCALOIDを使って楽曲を作成するたくさんのクリエイターと、多くの人に愛される楽曲を生み出してきたのだと思います。そうやって積み重ねてきたもの。その一つの結晶がこのライブなのだと思うのですが、でもやっぱりそれだけだとも思えないのです。
楽器としてのVOCALOIDはその性質上ライブで生演奏はできるものではありません。私はずっと、それがVOCALOIDが人ではないことの限界だと思っていました。でも、それを打ち破ったのがアイドルとしてのVOCALOIDという存在。みんなのアイドルとしてユーザとの関わりの中で育ってきた初音ミクを始めとするキャラクターが、技術の進歩を背に受けて、透過スクリーンの中にまるでそこに生きているかのように現れたときに、VOCALOIDによるライブは成立したのだと思うのです。
年月を経ても永遠に変わることのない、ユーザ一人一人の想いが積み重なって育ってきた、本当の意味で偶像としてのアイドル。たとえそこに命はなかったとしても、緑色の光で埋め尽くされた熱狂の中で皆がそこにいると思ったから、季節外れの雪が舞った3月9日、ミクたちは確かにあのステージの上に居たのだと思います。
もちろんまだ表現できないことはたくさんあって、みんなが創るアイドルであるが故にMCもできなくて、そしてこの熱狂が私たちをどこに連れて行くのかも検討がつきません。それでも、ここで今までになかった何か特別なことが起こっていて、ここから何かが始まるに足りるだけの熱があって、そして何よりここには未来へ通じる夢があると感じたのでした。来年もまたこのイベントが開催されるなら、是非また見に行きたいなと思います。