Fate/Zero 2 英霊参集 / 虚淵玄

Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)

Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)

7人のマスターとサーヴァントが出揃って、いよいよ聖杯戦争が本格化していく2巻。
まずはそれぞれの顔見せという感じではありますが、個性の強すぎるほどに強いマスターに英霊たちがいきなり大迫力のぶつかり合いを見せてくれるので退屈させません。セイバーとランサーの武人らしい誇り高き闘いも燃えるものがありましたが、全く別次元の発想でそれを吹き飛ばすライダーの豪快さ、ひたすらに傲岸不遜なアーチャー、正体不明のバーサーカーといったところも魅力があって役者の揃った感じ。時臣に仕えつつも衛宮切嗣のことを強く意識し始める言峰綺礼といったマスターの間の関係、それぞれの思惑に英霊の考えが入り交じってこの先どうなっていくのかは純粋に楽しみです。
個人的には1巻でウザイばかりだったへっぽこマスターのウェイバーが、なんだかここに来て可愛らしく見えてきました。ライダーという普通の英霊の枠すら超えた考え方をするサーヴァントに散々振り回されて、聖杯戦争の闘いの場で己の覚悟の弱さを身を持って味わいつつも、逃げ出さない彼の姿は今後に期待させてくれるものだと思います。逃げ出せないだけだったとしても、どんなに情けなかったとしても、そこから目を逸らすことはしないのが良いなと。
聖杯戦争へ混入した龍之介&キャスターという異分子排除のために、まずは共闘に動き出したマスターたち。ここから始まる先の読めない展開に期待しています。