とある科学の超電磁砲 6 / 鎌池和馬・冬川基

御坂妹編の超電磁砲サイドからのクライマックス。美琴の視点から見たときの当麻の格好良さが光る一冊でした。
シスターズを一方通行に殺させる計画、それを阻止しようと奮闘するも力及ばず、焦りと自分の無力さに追い詰められていく美琴。何をしても変えられない運命、すべてをひとり背負い込み、息苦しくなるような絶望の果てに自暴自棄とも言える方法に出ようとした美琴を止めたのは、上条当麻
美琴視点の物語だから、その絶望が痛ましいくらいに伝わってきて、だからこそそんな時に現れた当麻という存在の常識破りがカッコ良く見えます。理屈に合わなくても、無謀だと分かっていても、そんな道理を全て真正面からぶち抜きに行く存在。それが、学園都市という力の前に絶望していた美琴にとってどれだけの救いになるのか。禁書目録のコミカライズ4巻を読んだ時にも感じましたが、そりゃ当麻に惚れるよなと思うに十分なものがありました。
そして、同じ物語を別の視点から別作品で描くというのはやっぱり面白いなと思います。分かりやすく奥行きが出るというか、一人の目線からは語れない真実が見えて、物語が立体になっていくような感じ。
相変わらず動きや見せ方の魅力もあって、楽しめた一冊でした。結末の分かっている物語ではありますが、それでも凄いところで終わっているので続きが早く読みたいです。