- 作者: 井上堅二,葉賀ユイ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/12/26
- メディア: 文庫
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Aクラスが成績的には圧倒する中で、Fクラスの面々はこれまでの召喚獣を使ったバトルの経験で対抗するというのは王道ながらに燃えるシチュエーション。ただ、その中でもFクラスの面々の成績が微妙にでも向上していうのが、シリーズ重ねてきた中での成長を感じさせてくれて良いです。明久、歴史の勉強頑張っているんだなと。あと、Aクラスの翔子や久保君、工藤愛子に優子といった面々はこれまでの登場機会も多かったので、敵側のキャラクターが立っているというのが面白いところかと思います。特に明久への片想いでキャラがあらぬ方向に飛んでいた久保君の、方向性はそのままに株を上げるような中ボスっぷりとかなかなか。
ただ、試召戦争自体知略の限りを尽くして闘うところは面白いのですが、どうにも説明臭くなる所があってどうかなとも。雄二の戦略が複雑になってくると、説明のための説明になってしまっているような部分があって、いまいちノりきれないところがあったのが残念。個人的にバカテスは性別にフリーダムなラブコメっぷりとギャグのキレが楽しみなシリーズだけに、こういうシリアス展開をすると少し私の求めているものとズレてくるのかなとも思いました。
姫路さんのひた隠しにしている、おそらくは進路的なもの。そして美波の恥ずかしい日記の行方。今のところいけ好かない残念な人と化している高城先輩と、最終局面への準備は整ってきた感じ。試召戦争の行方、そして鈍感の極みである明久が誰を選ぶのか、雄二は覚悟を決めることができるのか、楽しみに待っていたいと思います。