- 作者: 朽葉屋周太郎
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/12/22
- メディア: 文庫
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当たり前の基準が壊れてしまった、何かもう取り返しのつかなくなってしまった、そんなところから始まって、全てがもうこうなるしかなかったんだろうなという具合に進んでいくような感覚。小学生も、女子高生も、どこか狂っていて、だけど歳相応の非力さとか、甘えとか、視野の狭さしかなくて、けれどもう引き返すこともできなくて。散漫とした絶望の中で、過剰に感傷的に綴られていく、まさにタイトル通りな二人の旅とも言えないような旅。
お話としては、もうそうなるようにしてそうなったとしか言いようがなく、構成も文章もキャラクターもエンタメ的に完成度が高い訳ではなくて、ぶつけたかったものをざっくりと切って投げ出したような印象。でもその粗さ含めて、これは若くないと書けない何かなのだろうなと思ったりしました。
読み終わった後には、なんとなくすっきりしない感じとむなしさが残って、でもあとがきを読むに、それは作者の意図した所でもあるんだろうなと感じました。これは多分、この感覚を味わうための作品で、こういう読書もたまには悪く無いと思います。