ブルーイッシュ 1 / 梅田阿比

ブルーイッシュ 1 (プリンセスコミックス)

ブルーイッシュ 1 (プリンセスコミックス)

できそこないの超能力を持った、血の繋がらない三人の兄妹。その力故に普通の世界に馴染めない三人の物語で、この幻想的な雰囲気の表紙で、どこか共依存的な閉じた世界の物語かと思っていたのですが、思いのほか外向きな感じの話でした。反動でアレルギーの出るサイコメトリーに、制御しきれないサイコキネシス、そしてする度にその人の記憶を失っていく変身。施設から引き取られ、育ての親もなくし、そんな力を持って学校で上手く馴染めずにいる3人が、それでも、その力で何かを、誰かを助けようと頑張る姿は、共依存的なものよりも前向きさを感じます。ただ、もう少し世間から外れている様子や、気を抜けば沈んでいきそうになる所が無いと、背負ったものの重さが感じられないかなとも。そんな中でも、お人形のように綺麗な妹の変身する度にその人を忘れていく能力というのは切なくて、それが中心になってくる魔女のお話が良かったです。