ナナマルサンバツ 3 / 杉基イクラ

競技クイズの描き方もキャラクターの掘り下げも相変わらず素晴らしかったです。そしてこのちょっと冴えない文化系の空気はどうしてこんなに上手いのかと思うくらいに身に覚えのあるもので感心したり。あと秋葉原とゲーセンの空気感も、思わず知ってる知ってると言いたくなる感じがあります。そんな中で、越山のクイズにのめり込んでいく様子と内に秘めた熱さが除く瞬間が良かったり、井上のこともただのモブキャラ的オタク部員じゃなくてきちんと描いているところも良かったり、正体が明らかになった笹島妹の弱電系女子というニッチな属性もピンポイントで良かったりと、中身も濃くてどこをとっても素晴らしいと言える一冊でした。ストーリーもゆっくりと着実に進んでいて、この先の展開にも期待大です。