STEINS;GATE シュタインズ・ゲート 比翼恋理のアンダーリン 2 / 海羽超史郎

ラボの日常、様子のおかしいダル、鈴羽、タイムマシン、ルカ子とのデート、改変された過去、IBN5100、そして。
ゆるいラブコメのような日常のそこかしこに潜む違和感。フラッシュバックするオカリンの記憶のようなもの。当たり前のように存在するタイムマシンに、様子のおかしいラボメン。表面上で起きていることとは別に、ずっとどこかモヤモヤと引っかかるようなものが残り続ける展開は、正直なところ読んでいてどう楽しめばいいのか分からなくて、どちらかと言えば辛いものがあるくらいのものだったのですが、そんなこんなも全てラストのインパクトが持っていきました。
ルカ子が可愛いとか、ダルと鈴羽の関係が良いとか、そういうものに集中できないすわりの悪さが点から線になって繋がった時の、一瞬で持っていく加速感。それも、嫌な予感、悪い予感みたいなものが、なるべくしてなったように、読者も主人公であるオカリンも見ないふりをしていただけにように、ただそれだけのこととして結実した、ゾクッとするような何か。
決壊しそうで決壊しない一線を、じらしにじらして壊してきた、そのカタルシスが印象的な一冊。こうなればきっと後は加速するだけ、次の巻も楽しみです。