GUNSLINGER GIRL vol.15 / 相田裕

GUNSLINGER GIRL(15) with Libretto!II (電撃コミックス)

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スペランツァ

ついに完結。五共和国派との闘いの結末、そして公社の行末、義体と担当官たちのその後。最終話は若干駆け足な感じもありましたが、見事で、美しい幕引きだったと思います。これだけ、重たいものを背負ってきた物語を、本当に綺麗に終わらせてくれたなとファンとしては嬉しい限り。
もうここまで来てどうこういうものじゃないかとは思いますが、義体という存在、条件付けされた愛情、テロとの戦い、終わらない憎しみといったものに埋め尽くされた中で、それでも人の想いを軽く見ることはなかった、それがたとえ何かに強制されたものであったとして、決して蔑ろにはしなかった物語だったからこそ、こうやって酷かった闘いの後にでも残るものがあって、受け継がれていくものがあって、それを”希望”と呼ぶことすらできたのだと思うのです。
最初読んだ時には、女の子が銃を手に戦わされるという悪趣味さの作品だと思って、ピノッキオ編辺りからそれだけじゃないんだと強く感じるようになって、10巻から先は出る度に衝撃をうけるようなシリーズでした。出会えてよかった、素晴らしい作品だったと思います。