- 作者: 日日日,左
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/12/18
- メディア: 文庫
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そんな感じに今回は北欧神話の「破壊神」の力を取り込んだたまによる、北欧神話を模したるるなちゃんへの授業の話。この作品に登場する他のキャラクターと同じように、あるいはそれ以上に、強すぎる力と重すぎる運命に縛られた生まれたばかりの赤ちゃんのようなるるなちゃんに対して、たまが残せるもの、ぶつけるもの。期待されなくなってしまった自分、期待される相手への嫉妬、けれど、それでも、伝えようとしたことは本当で、たまは本当に本当にいい子で。
たった一人で頑張るんじゃないと、誰かがいてくれるんだと、たとえそれが甘っちょろいようであっても、自分自身ばかりが辛そうな顔をして全部背負うものなんかじゃないんだと。そして、どうしようもなくなってしまったような世界で、子どもたち三人で歩くラストシーン。それだけのことがこれだけの大騒動になるのだから、神々のお話の大きいのだか小さいのだかわからないスケール感は相変わらずですが、やっぱりそれがこのシリーズらしいところで、このシリーズの魅力だと思います。
そしてそんな騒動を描きつつも、日留女編のクライマックスに向けた準備は着々と整っている感じ。今回の北欧神話ワードのワクワク感もなかなかのものですが、それに加えて「ルシフェル」「アンリ・マンユ」とか並べられるとスーパー神話大戦も佳境という気がして盛り上がります。そして次回は対「闇の聖母」でテーマはキリスト教。否が応にも期待が高まるというものです。