お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ / 鈴木大輔

アニメが面白かったので手を出してみた原作小説……でしたが、これはアニメで見た方が楽しいかなあというのが正直なところだったような気も。
とある事情で離れ離れになっていた超絶ブラコン妹と隠れシスコンっぽい兄が一緒に暮らすことになって、妹の何かが間違った猛アタックにさらされているうちに気がついたら無表情でおかしなことをいう金髪娘たちにも迫られてハーレムラブコメ化の第一歩を踏み出すような、MF文庫Jのイメージ通りといえばイメージ通りなラブコメ作品。
背景にあった家のごたごたもはぐらかしつつの日常は、ストーリーらしいストーリーがあるわけではなく淡々と新生活と学校への編入が描かれるのですが、この日常での妹である秋子の兄への迫りっぷりがギリギリアウトな感じで面白いです。ただこの言っちゃいけないことが多分に含まれた掛け合いの面白さは、動く秋子と木戸衣吹の声があるアニメで見たほうが、純粋に頭を使わずに楽しいような気がしなくもなく。
とにかく軽く読めて、キャラクターと掛け合いの魅力のある、文字通りライトなライトノベル。面白いかと言われれば面白いのですが、個人的には、小説で読みたいかと言われるとちょっとどうかという感じの一冊でした。
ただ、アニメでは結局最終回まで伏せられていた作品の根幹を揺るがす事実には「!!??」となりました。全く身構えていなかった……。