スカイ・ワールド 04 / 瀬尾つかさ

長い長い序章がついに終わったという4巻。最後のシーンはまさに真打ち登場といった所でこの先が楽しみで仕方ないのですが、それはともかく序章の最後に当たるということで新しい視点が提示されたり、キャラクターの気持ちが整理されたりと、必要なものをきちんと描くなあと思う一冊でした。
ついに第四軌道を目指しフエルファイ・キャンペーンに挑むジュンたちのパーティー。長いそのクエストをこなす中で描かれるのは、ジュンとともに第四軌道を目指すことにしたそれぞれの気持ち。視点を変えながら描かれるキャラクターの想いの描き方が、感情を理性で分析したような感じの描かれ方で個人的にすごく好きです。リュカとエリの会話とか、エリの頭が良すぎて幸せになれない感じが凄く。
もうどこまでも圧倒的にハーレムパーティーなのにジュンが見ているのはサクヤ/カイの方向という張り倒されるべきな状況なのですが、こうやって一人ひとりのキャラクターにスポットを当てて描かれると、それぞれがそれぞれの想いを抱えながら意外と不安定なバランスの上でこれが成り立ってるんだなあと思うと共に、決して不自然なハーレムではない気がするのでまあ、というか。ただ、かすみに覚悟を問うジュンのやり方はまだいいとして、その後に自分がかすみに問われた覚悟をああやってすかすのはちょっと殴られても仕方ないんじゃないかと思いましたが!
フエルファイ・キャンペーンについては、その中でスカイ・ワールド世界の仕組みというものが作品として遡上に上がってきて面白くなって来ました。別世界なのか、作られた世界なのか、ここにいる自分は何なのか、ただのデータでしか無いのか。そういったものを作中のキャラクターたちが明確に問題として意識していることが分かって、その上でここで起きようとしているある勢力をめぐる大きな闘いには何の意味があるのか。そして第四軌道から上でサクヤたちは何と闘っているのか。
全ての謎と想いを乗せて、ジュンたちのパーティーを載せた船はサクヤの待つ第四軌道へ。続きが、とても楽しみです。