ガッチャマン クラウズ 最終回

ガッチャマン クラウズの最終回がなんか凄いことになっていました。
元々、特別な力を持ったヒーロー(ガッチャマン)、公権力(総理や市長、自衛隊)、SNS的な繋がり(累とGALAX)が並立しているところに、SNS的な繋がりで世界を変えようとした累が結局CROWDSという特別な力に頼らざるを得なくなり、そこにカッツェという混沌を望む存在がつけこんだという流れだったと思うのですが。
最終回でその混沌をどうにかするために取ったのが累によるCROWDSの全配布、そしてGALAXによるソーシャルでのマッチングと善行のゲーム化だったというのが思い切った感じですごかったなあと。ガッチャマンの特別さを無効にして、かつ公権力も届かない力であるCROWDSが全員に与えられればそこに現れるのは無秩序の混沌のはずだと思いますが、これはそれをソーシャルのマッチング機能とゲーム化で克服できるっていう描写なわけで。しかもゲーム化で「善行」とは何かを恣意的に操作できる部分は、累やXによる設定ではなくて、自発的にユーザーが設定するゲームとしてしまっているという。
もちろん、それだけでうまくいくわけがないというのが、後日談でCROWDSを使った犯罪がと言われている部分ではあるのですが、そこで公権力のトップである総理に規制反対とGALAXの意見集約に委ねる姿勢を取らせてしまう辺り、カッツェという敵役に人の暗部を散々利用されてここまで来た上でなお、SNSと人間の善性はそれを克服できるんだという信頼を描いてしまうのが凄いなあと思いました。
これは累による「アップデートされた世界」でありCROWDSの勝利という結末ではあるのですが、ただそんな何もかもうまくいかないだろうという気もするわけで、じゃあこのある意味リセットされた世界の中で、これから何が起きて、そこでガッチャマンというヒーローや公権力がどう振る舞っていくのかというのは、もうちょっとこの先が見たかったと思います。その辺、続編ができると嬉しいなあというか、ここまで言い切ったのなら描いてもらわなくちゃ、と。