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東京レイヴンズ 11 change:unchange / あざの耕平

「変わるもの、変わらないもの」というサブタイトルが示す通り、散り散りになった仲間たちの「現在」が描かれる11巻。そういう意味ではまさに次の展開への準備といった趣ですが、一冊で一気に複数キャラ分描かれているので中々に濃密な一冊でした。
それぞれ大人について星読みとしての力を伸ばそうとする京子、生成りとしての力を伸ばそうとする冬児、籠の中の身になってもそこで何かをつかもうとする鈴鹿。それぞれが置かれた環境は厳しく、倉橋長官の進める計画に逆らう形になった彼らの道は険しいことは分かりきっていて、それでもそのじわじわと締め上げるような閉塞感を少しでも払うことができたのは天馬の行動だったというのがまた。相変わらず良い所持っていく奴だなあと。
凡人だからこそ、普通に陰陽塾に通い続ける形になった天馬にできること、天馬だからできること。夏目からの一方的なはずだった手紙に対して、彼の返したメッセージ、ピンクのリボン、青いスワローウィップ。ばらばらに成った仲間たちにも届く方法で、そこにこめられた意味は喝采すべきものでした。彼にしかできない形で、彼にできることをする、特別でないが故のジョーカーとしてやっぱり天馬は必要とされる存在なんだと思わせてくれます。
話としては新キャラクターの登場に、それぞれの置かれた状況設定、そして凄い勢いで大量にばらまかれていく伏線とこの先盛り上がることは間違いなし、みたいな感じ。天馬が既に場にオープンにされているジョーカーであるなら、やっぱり第二部の隠された切り札は秋乃であることは間違いない訳で、「相馬」がここまでフォーカスされている中でどういう活躍をしてくれるのか、とても楽しみです。