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はたらく魔王さま! 11 / 和ケ原聡司

エンテ・イスラでの大騒動を終えて笹塚の地に戻ってきた真奥たちを描く仕切り直しの11巻。
恵美と真奥の関係が大きく変わったことで、こちらの世界での関係もまた変わっていくというある種当たり前のことなのですが、それでも素直に感謝する恵美からの真奥さんと呼んでくる恵美と多段コンボを食らったみたいに精神ダメージを受けている真奥の様子が面白かったです。この大前提がだるま落としのようにスコンと抜かれたような状況をなまじ芦屋まで含めた周りが受け入れすぎてるくらいに受け入れているので、真奥だけが素直になれない精神年齢低めのヘタレ主人公みたいになっていて笑えるという。そして何より、一つ段階を進めてますます近づいた彼ら彼女らの関係が素敵なものでした。サプライズのイベントなんて、やっぱりすごく良いなあと。
そんなキャラクターたちの変化もありつつ、次の展開に向けて大きく語られ始めたのが、地球やエンテ・イスラまで含めた大きなスケールでの世界の話。キーパーソンがミキティなのはなんとなく想像がついていた範疇で、これまでもなにかもやもやするくらいに大事なことが語られていない感じだったのですが、ようやくそこに手がかかったという感じ。そのスケールで設定されていたものの極一部しか見せられていなかったのだからそりゃあもやっとするよね! みたいなレベルになってきています。一巻の頃からすれば思えば遠くに来たもので、というか。
そんな訳で物語に大きな動きがあるというよりは説明がメインの一冊で、相変わらずこの作者さんは過剰に真面目で真摯なところがあるのか、色々な範囲をフォローして懇切丁寧になっている分ひたすらに説明書きが続いていたような印象も。とはいえ、読みやすく分かりやすくは書かれているので、読んでいて辛くなるようなものでもありませんが。何にしても、色々と仕掛けが明らかになり、次への展開も仕込まれていて、この先が楽しみになる一冊でした。