イエスタデイをうたって 10 / 冬目景

物語が佳境に向かっているのか向かっていないのか迷子になったような気分になる10巻は、混迷を極める人間関係が極まってまりしました。時間の流れとともに変わっていく人、関係、そしてその中で相変わらず悩み続ける登場人物たち。
作中ですら言及されるように無理矢理にでも行動に移す人がいないので、事態が一向に解決に向かわずうじうじする様はめんどくさい! としか言えない何か。そして人に対して言うことが大概にブーメランしてて、一周回っておかしくなる感じですらあります。ただ、この一歩踏み出せないモラトリアム感とその不思議と居心地の悪くない感じがイエスタデイをうたってでもあるかなと。とはいえ、ハルまで悩んでいるとさすがに息詰まる感じはありますし、関係的にも臨界点は近づいている感じはしていて、この長く続いた物語がどこに着地していくのかは楽しみに思います。
そして最後のページで作者が「15年もかかっちゃったけどもう少しお付き合いください!」と謝っていてちょっとおかしかったです。完結さえしてくれればどこまででも追いかけます!