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娘の家出 1 / 志村貴子

家族に問題を抱えた少女の家出から始まる、少女たちと周りの大人たちの連作短編。
離婚した両親の原因は父親がゲイだったことで、その父は彼氏と暮らしており、母の方は今度再婚するみたいな難しい状況を、さらっと描いてみせるのはさすがの志村貴子というかなんというか。結構変わっていて、こじれちゃいそうな関係の中を、ふわっとした手触りで包んで描いて、けれどそこにドロドロしたものだって間違いなくある、みたいな。太った人が好きな思春期の娘が、母の再婚相手や父の彼氏がタイプな時点でもうこれどうなるのって思うところを、全て込みでこのタッチで描くのがこの人の漫画だなあと思います。そしてだからこそ、それでも人生は続く、それでも優しさがあるみたいな中で、唐突にグサッと刺される瞬間があって、それもやっぱり志村貴子作品の凄さだなあと思うのでした。