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スカイ・ワールド 6〜8 / 瀬尾つかさ

第4軌道、そして第3軌道からアリス救出作戦へと物語が進んでいくスカイ・ワールドですが、相変わらずゲームがゲームとして攻略されていくのが読んでいて楽しいなと思います。
特に、ここ数巻についてはチームでの戦いから大規模戦闘(レイド)が主となって、ギルド内でのクラスとセカンドクラスによる役割分担やヘイト管理といったいわゆるMMOっぽい部分が強く出ていて、実際MMOをやったことがない身としてはとても興味深くもあり。個人個人が能力によってここまではっきりと役割分担されて、それをリーダーが統率するという形は一人でやるゲームにはない醍醐味だよなあと思います。そして世界観を足がかりにした謎解き要素もゲームっぽくてなかなか。
ただこのシリーズ、これだけゲームの攻略であることを全面に出しながら、転生の日以降ここはゲームではなくなってることを大前提においているわけで。それ故にゲームに取り込まれた冒険者たちの異質さが際立つ訳ですが、それ以上に主人公であるジュンがゲームとしてこの世界に挑むところがぶっ飛んでいて好きです。
ゲームに取り込まれてその中で普通の世界のように振る舞うというパターンではなくて、ゲームではなく異世界であるかのような描写を見せながら、それをあくまでもゲームとして読みとく。ゲームのシステムを利用し、2回までは死ねるからと命さえ投げ出し、それなのにここが単純にゲームの世界ではないと一番良く分かってるのだから世話がないというか、正直大概に狂っていると思います。クレイジーで、だがそれがいい、みたいな。
そしてそんなスタンスでいるジュンに対して、もうひとつ反転させるような8巻ラストの引きもまた痺れるものが。この何重かに捻くれた世界認識の在り方は最高に面白いと思います。
あとパーティー内の人間関係の方は、なんというか、こう。ほぼ女性なパーティーで女性陣からの矢印がジュンに集中して、ただ色々な意味でこのパーティーを崩してはなるまいとそれぞれに思っているだけに変な形になっているというこの。もうここまで来たらいっそハーレムにしちゃえよと思わなくもないですが、そんなジュンであるはずもなく中途半端に手を出すから余計に悪いみたいなことをしつつ、ただなんとなく方向は見えてきたのかなあという感じ。とりあえず、最後にエリが泣いていなければ私は満足かな、と!