魔法使いの嫁 2 / ヤマザキコレ

スレイ・ベガというのがどういう存在かというのが明かされるにつけ、チセの背負った過酷な運命に顔を伏せたくなるようなお話なのですが、ただそれでもその運命を真向かいに回してのチセの強さと言ったら。自分を待っているもの、エリアスが自分に伏せていたこと、それを前にしてああいうことが言えるのは、過酷な境遇がもたらした諦念なのかもしれなくても、やっぱりそれをしなやかさだと呼びたいなあと思う一冊でした。
そして、大きな力を持つ魔法使いのエリアスからすれば、自らが買ったもの、自らが護るべきものであるはずのチセに対して、そのしなやかさでもって年若いチセのほうが精神的に上手になるというこの逆転した関係が、実に人外×少女らしくて素晴らしく萌えると思うのです。良い良い。