2014年に沈んだ10大沼(前編)

2014年はあんまり読了数も多くなかったので、本・マンガのまとめは縮小版で後日書くとして、私が沈んでいたものを10個紹介しようみたいなエントリです。長くなったのでまずは5沼から。
さあみんな飛び込もうぜ!

2014年に沈んだ10大沼(後編) - FULL MOON PRAYER

THE IDOLM@STER

シンデレラガールズはサービス開始した頃から触っていて想い入れがあって、だから舞浜で涙を浮かべている自分の姿は予想の範疇だったのです。だったのですが、まさかこのタイミングでアイマスというコンテンツ全体にどっぷり行くとは思ってもみなかったよ2014年。
とにかく、2月、映画の出来が本当に素晴らしかった。特にアイマスの「仲間」の扱いにフィクション的なご都合、言ってしまえば何を甘っちょろいことをと思っていたところを、春香さんの演説に撃ちぬかれたあのシーン。ああそうか、天海春香が掲げるアイドルというものには、誰一人欠けてもいけないのかと。あれは甘さなんかではなくて、かくあるべしという覚悟なのかと。
そして、その傲慢さと優しさが見事にステージに結実していたSSAあの五時間ライブがもう素晴らしい以外の言葉もないもので、天海春香=中村繪里子がセンターにいて、核になる765ASがいて、それを追って走り始めたシンデレラとミリオンがいる今のアイドルマスターというのを鮮烈に焼き付けていって。
中村繪里子大橋彩香山崎はるかの3人の赤が並び立った「The world is all one」で、壁なんてないんだということをどんな言葉より大きな説得力で示されたら、そりゃあ今まで宗派が違うと避けていたLTPを聞いてミリオンの中野にも行きますよ。もちょブログというとんでもないコンテンツにも出会ってしまいますよ。LTHが最近名盤連発でちょっとランティスさんどれだけ力入れてるのとも思いますよ。
そしてAS組が積み上げてきた経験と実力を見せつけた9thに、アイドル的な色の強いミリオンとは異なるバラエティ色の強いシンデレラの方向性がはっきりと見えた代々木。待ち望んだシンデレラガールズのアニメ化。これだけの規模まで大きくなったコンテンツが常に動き続けて、キャラクターの物語として、また中の人の物語として読めるような形で広がっていくということが今では本当に楽しみに思います。
ここ数年で色々なライブやコンテンツを見て、やっぱりただお行儀よく出来がいいだけじゃなくて何か+αがないと面白く無いんだなと思うことがあります。それは愛だったりセンスだったり熱意だったりぶつけられた怒りだったり、何がしかの突き抜けたものだと思うのですが、アイマスの場合スタッフ、キャスト、そしてファンであるプロデューサーがこのコンテンツにかけているもののある種宗教的な重さが、この場の熱量を生み出しているのだなあと思います。だから、その内側でみんなで同じ方向を、輝きの向こう側を見ているのが、本当に楽しいのだなと。

内田彩

2014年を経た今、好きな声優を聞かれればへごちんこと大橋彩香西明日香洲崎綾と、そしてうっちーですと答える私ですが、2013年にラブライブにハマった頃は別に好きでも何でも無かったのですよ内田彩。むしろ、ことり役ということもあってか、媚びた感じがしてちょっと苦手でした。
イメージが変わったのは「あいまいみー 妄想カタストロフ」を見てから。このキチガ……異彩を放つショートアニメが麻薬のように毎週楽しみになっていく過程で、麻衣というマジもんの役を実に楽しそうに演じている内田彩の姿がそこにはあったのです。そして生あいまいみーでのフリーダム加減を見て確信しました。この人誰かに媚びてなんかいない。全部自分のやりたいようにやりたいことをやっているだけだと。
いやですね、自分でも言っちゃうくらい結構いい歳して、この可愛い感じをやりながら、何も包み隠さないでいく裏表のないスタイルを貫き通す様は、これはもうロックですよ。もちろん、プロなので本当にダメなことは言わないのでしょうけど、正直それはダメなんじゃないかということも隠さずに言っていくこの感じ。ソロCDデビューで、初めは嫌だったとか、売れなかったらこれで終わりだったかなとか言っちゃうのそれ、みたいな。
でもそれが嫌味でもなんでもなく、This is うっちーな感じでフリーダムさを貫くところにしびれます。裏も表もなくて、好きと嫌いしかない世界に生きていそうな、それでいて根は真面目で役が入れば普段のポンコツがまるで別人のようになって、しかも演技も歌も踊りもポテンシャルは高い! そんな生き方憧れるなって方が無理でしょう! っていう。
そして、そんなうっちーデビューアルバムの「アップルミント」がちょい懐バンドサウンドにキュートなボーカルが乗っかるというこれまたストライクゾーンど真ん中で素晴らしかったです。バンドサウンドからは少し外れますが、「ピンク・マゼンダ」がこれぞ内田彩っていう歌詞をしていて凄く良かった。アップルナイトで生バンドで数曲お披露目がありましたが、早くフルのライブを!

シーサイド・コミュニケーションズ

シーサイド・コミュニケーションズ公式ホームページ
洲崎西」にすっころんだのは昨年末。生まれて初めて聴き始めた声ラジ。そして気がつけば、「あどりぶ」「内田さんと浅倉さん」とこのシーサイド制作だけでも3番組を聞くようになっていたこの一年。
ラジオの魅力は何か別のことをしながらでも聞ける手軽さだったり、パーソナリティとリスナーの距離感の近さだったりするのかなと思うのですが、やっぱり純粋に聞いてて楽しい! と思えれば、毎週睡眠時間を削ってでも深夜1時のラジオを人は待ち続けるのだと実感するのでした。
洲崎西」は、とにかく二人のトークの爆発力。どこかに行った何があったというだけの話を、本当に楽しそうに回転数高く続けていく感じ。洲崎綾のちょっとズレた素朴感と西明日香の笑い声で何もかもが面白くなるという魔法のようなラジオです。下ネタありでリスナーを豚と呼びあらゆるものをdisって行く芸風がいやらしくも陰湿にもならずに、とにかくからっと明るい方向に転がっていくのは凄いなと。暴走しがちな二人ですが、すれすれできっちりコントロールしきる上手さもあり、本当によくこの二人を組み合わせたなあと思います。唯一の難点は30分聞くと多大な疲労感が残ることですが、その対価として有り余る笑いを得られる番組です。
「あどりぶ」は巽悠衣子という大ボケと大橋彩香というボケが二人で喋っているという、ある意味無法地帯な番組。リスナーが「いやいやいやいや」となる回数なら他の追随を許しません。最初はぎこちなかった二人の仲がどんどん良くなってきているのはわかるのに、決して噛み合わずに息があっているこの感じ。お互いに「えっ」「えっ」っと言って間ができたりする独特の空気感が最近味に昇華されてきて非常に面白いです。あとへごちんがあまりに素の状態すぎて、デレラジではなかなか見えない闇が見えるのもファン的には良いのではないでしょうか。いつもにこにこ笑ってるへごしか知らない人は是非!
「内田さんと浅倉さん」はまた打って変わって、アラサー女子二人の素のトークが楽しめる番組。ただ、このラジオ「本音で」とか「ぶっちゃけ」とか大上段に構えた感じではなくて、単に素の反応がそのまま出ている感じが面白いです。え、それ話題にしちゃうの? それ言っちゃっていいの? みたいな話も、そりゃそう思うだろうなあという本音がフリーパス。最近だと写真の修正はされすぎると本人的にも微妙みたいなことを言っていた話と、百合営業についてさくっと切り捨てていたのが笑いました。そしてそんなところが聞いていて落ち着きます。この辺りはとても内田彩っぽいなあと思っていたのですが、最近浅倉杏美も同じタイプなんだなというか、この二人凄い似たもの同士なんだということに気が付きました。そりゃあ会話も弾むわ、という。
そしてシーサイドで素晴らしかったのが年末にあった「SEESIDE LIVE FES2014」。行く前には何故かラジオ番組が曲を作ってライブをするという謎イベントだと思っていたのですが、これが生バンドでしっかり作られたライブになっていて、それ以上に醸し出されるアットホーム感が凄く良かったです。小さい会社の手作りラジオ番組、そして手作りライブイベント、ここはホーム、みんな仲間! みたいな居心地の良い感じがとても。
そんな訳で、2015年もついていきます植木社長!

selector infected/spread WIXOSS

タカラトミーTCGWIXOSS」の販促アニメ化……だと思ってたらなにかすごいのが来ちゃったぞ、という作品。
作品の系統的にはポストまどか☆マギカに当たる、という時点で販促? という感じですが、まあ作中でカードバトルはしているけどルールの説明はないですし、キャラクターたちはむしろバトルすることを避けようとするし、これ正直呪いのゲームだよねとしか思えない部分があったりしますが、それは置いておいて。
これ、脚本岡田麿里の黒い部分が遺憾なく発揮された作品という感じです。黒マリーは白の中に垣間見えている部分を除くと、個人的にはブラック★ロックシューター詐病百合の話が私の中に強烈なインパクトを残しているのですが、なんというか全編あんな感じというか。
どろどろとした感情の揺らぎ、ただひたすら悪趣味にキャラクターを追い詰める展開、胸焼けしそうな執着と百合。同じような枠組みの話をしているはずなのに、まどマギの理詰めの感触とは真逆の生っぽさにゾクゾクさせられっぱなしでした。二期であり解決編に当たるspreadは正直システムとしては綺麗に話を畳めているとは思いませんが、そのあたりも焦点の当て方がキャラクターの感情に偏っているという感じなのでこの作品らしくもあり。何より、ラストシーンが素晴らしくて何か全て救われたような気にさせるのがズルいのです。
ちなみにWIXOSSはちょっとだけ触って遊んだりしていますが、これはこれで別の底の見えない沼だぞ……という危険を察知して深入りはしていません。怖い!

阪神タイガース

今年もまたTwitterで実況もしつつ阪神戦を見ていることが趣味です! みたいな生活を送っていたオンシーズンだったのですが、まさかね、クライマックスシリーズを勝てるとは思っていなかったのですよ。(日本シリーズ? 知らない子ですね?)
開幕した頃はゴメスがまだ未知数で、ノウミサンは大炎上して、西岡は怪我をして、福留は相変わらず圧倒的不振で、中継ぎは崩壊気味だったのに、どこも決め手がないセリーグ球団の中で気がついてみればレギュラーシーズンは2位フィニッシュ。後半は黄金銭闘士の風格を魅せつけるかのごとく福留さんが見事な復活劇を見せて、大和の守備も冴え渡るというファンでもよくわからない勢いで勝っていった感じではありました。
2015年はどう考えても勝てる気はしないので、北條たち若手が出てくることに大いなる期待をかけつつ、順位争い的には少し落ち着いて見れるんじゃないかなと……暗黒時代を経験している私ならそれも可能なんじゃないかなと……。あ、はい、鳥谷の残留が最大の補強です……。