イチゴーイチハチ! 1 / 相田裕

GUNSLINGER GIRL相田裕最新作は打って変わって舞台は生徒会な現代学園青春モノ。
生徒会で高校でというと何か特別な権限があったり、やたらキラキラ輝く青春していたり、もしくはただひたすら可愛くて平和な日常だったりとか、そういう先入観が私の中にあったりするのですが、これはそういうものではなく、かなり地に足がついたというかどこかありそうな感じの生徒会のお話です。
そして同時にこの作品の特徴的なところは挫折者の物語であることなのかなと。タイトルの15と18は作中のキャラクターがシニアで野球をやっていた頃の背番号。中学時代、女子が男子に混じって野球を続けることに限界を感じた現生徒会長。彼女に引導を渡す形になった少年は野球肘でその道を絶たれ、せっかく入った強豪校で先を見つけられず。放課後の別棟みたいな、どこかすえた匂いのある体温低めでああ高校ってこういう感じだったと思わされるような空気と相まってダウナーな雰囲気。でも、ただ沈んでいくだけではなくて、お祭り好きで血気盛んな高校の生徒会という場所でできる何かがあって、見つけられる何かがある。
簡単に大丈夫とは言わないし実際大丈夫ではないけれど、決してそれによって世界に見捨てられることはないような、前向きさと後ろ向きさの絶妙なバランス。その上で彼ら彼女らが織りなす物語は、何だかすごく素敵な青春なんじゃないかと思うのでした。良いなあこれ、と。