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3月のライオン 10 / 羽海野チカ

読むのに中々精神力がいるというか、MP消費が激しいというか、まあとにかく心の準備をきちんとしてからとりかからないと火傷を負いそうな作品ってある訳で、その最たるところのこれを思いもがけず半年以上積んじゃっていたのですが。
やっぱり真剣に向かい合わないと呑まれそうになる凄い作品だとは思いつつ、闇の中を手探りで生きてきたような零がこれまでの経験を経て、成長した分ずっと読んでいて安心できるようになりました。変わっているといえば変わっているし、変わっていないところは変わっていなくて、やっぱり学校生活というものに溶け込むような子ではなかったけれど、それでも彼なりに辿り着いた答えが彼の立つ足場を固いものにさせたのだなあと。それはまた、将棋に対しても、川本家に対しても。
そしてその流れで、突然現れた川本家の離婚した父。親族間のトラブルの生々しさ。あっけらかんと滅茶苦茶なことを言う人がそれでも父であることにかわりなく、そして彼が決して最初から化け物だったわけでなく、いつか壊れてしまった人だというのもまた容赦がなくて。それでも、今の零ならと思わせてくれるだけのものがあるから。どこまでも零らしく、きっと彼女たちを守ってくれるんじゃないかと希望が持てるのだと思いました。