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六花の勇者 6 / 山形石雄

六花の勇者 6 (ダッシュエックス文庫)

六花の勇者 6 (ダッシュエックス文庫)

第一部完、という訳でvsテグネウの決着まで。
黒の徒花と七人目、情報は出揃ったところからのクライマックスということですが、そんなすんなりいくような話になる訳がなく。それぞれの思惑が交差して、一歩先も読めないような怒涛の展開。ここまでで考えていることも目指しているところも違うキャラクターがたくさん出てきている訳ですが、それぞれがそれぞれに最善手をとって、それも最後の詰めだったり起死回生の一手だったりするような勝ち筋をぶつけてくる感じ。そしてそのどれもがぶつかり合って潰されあって、話は予想もつかない方向に転がっていく。これはこの作品のモチーフにあるだろう人狼だとか、テーブルゲーム的な面白さだと思いました。あまりにもめまぐるしいので、細かいところを見ればよく分からないところもあるのですが、それどころじゃない展開で雪崩れ込むラストまで息をつかせぬ一冊でした。
あと、ここまでバラバラだった六花の勇者たちが、思うところは違えどそれぞれが強いところを活かして、一人一人死地を引き受けていく展開は王道で熱かったです。馬鹿な子馬鹿な子と思っていたロロニアが格好良くてね……。




以下ネタバレあり。




最終的に倒されはしたものの、テグネウという凶魔は存在感のある敵だったなあと。人間でも凶魔でも持つ愛を知らぬがゆえに、愛にこだわり、愛にすべてを賭け、それを押し潰すのを至上の喜びとして、最後には愛に破れる。客観的には不合理なことであったり、ここまで準備に手間をかけたことであったり、そういうものが全てひとつに繋がっていて、最後はそれ故に倒される偏執的なところが良くも悪くも凄かったです。
そして、そのテグネウの玩具であった七人目。操られたがゆえに起きた愛の奇跡は、それもまた掌の上での出来事。テグネウを倒すことでその愛は消えて、心には憎しみだけが残る。vsカーグイックに話が移っていく中で、勝利はしたもののどうなってしまうのだろうこれはと不安になる展開に、とどめを刺したのは七人目のおかげとはいえ、やっぱり最初からいなければ何も問題なかったんじゃないかと思わなくもなく……。何だかもう色々絶望的に思えるのですが、この先挽回の機会があることを期待しています。……あるよね?