魔法使いの嫁 4 / ヤマザキコレ

チセがエリアスの過去を知ることで、二人の関係に変化が見られる第4巻。とても近くにいるようで、どこか距離感のあった二人の関係は、当たり前のように一緒にいるくせにお互いのことをそれぞれの理由でほとんど喋っていないからだったのだなあと。
忌まれ捨てられた子供であることがチセに自分を低く見させて、人間には恐れられる存在だということがエリアスに己を隠させる。その壁を、何も望むまいとしていたチセのわがままが、感情の分からないエリアスが信じようとしたことが、伸ばした手が触れ合うことで優しく崩していく、なんかもう本当に人外×少女だよなあ!! とジタバタしてしまうような感じで大変よろしかったです。
あと、主役はもちろんこの二人なのですが、そこを描いていても、それも含めて何か大きな世界の一部だと感じられるのがとても良いなと思います。普通の人の埒外にある魔法使いたちの世界、そのとても大きな世界の流れの中で、エリアスの歩みも、チセの歩みもまたその一片であるのだという、世界に包まれる安心感、みたいなものが感じられる作品です。