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バビロン1 ―女― / 野崎まど

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

もしも野崎まどって最近良く名前を聞くしちょっと気になってるんだけどどうなのだろうと思ってこの感想を目にするような奇特な方がいたら、悪いことは言わないのでブラウザバックして本を買いに行きましょう。先に買っても損はしませんが、余計な事前情報は野崎まどという作家との新鮮な出会いを妨げる恐れがありますので。
という訳で講談社タイガでも野崎まど野崎まどでしたね! というバビロン。読み始めてからしばらくは真っ当に社会の闇に挑む検事モノの気配を漂わせていて、唐突に投げ込んでくるギャグ的なあれそれも影すら見せず、もしやこれは社会派なのでは……というような気にもさせられなくもない訳ですが。
しかしながら、これまでの野崎まどにお付き合いしてきた人であればまあ、ジョーズを見ているばりに来るぞ来るぞ……いやまだ来ないのか……? 来たああああああ!!! みたいな気分で楽しめたのではないでしょうか。というか雲行きが怪しくなってきたあたりからもう絶対何か来ると思ったよね!
そして問題はまさにそれが来たところで来春の2巻へ続くとやられて、ここからが野崎まどの真骨頂なのにとなるところ。検事モノとしても事件の謎を追いかけていく過程は面白かったのですが、そこにちょっとずつズレが生じてきて、敷かれていたレールと走っている道にどうも齟齬があるらしいと気がついて、もう一気に突き落とされる足下の崩落感は流石の話運びでした。読まされていた話と実際に語られていた話が、同じ部品を使っていながらこうも違うものだったのかと。そしてそこで浮かび上がってくるテーマは、正義と自死
いや本当にもうここからというところなので、早く続きを読ませてくださいとしか言えません……。