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スカイ・ワールド 9〜11 / 瀬尾つかさ

完結ということで止まってしまっていたところからまとめて読了。
最後の最後までジュンや彼の周りのあるタイプの人たちは曇りなくゲーム狂であったのだと。現実世界への帰還は第一軌道を目指す大きな目標であり、それは最後まで変わらないことではありましたが、それ以上にこんなに面白いゲームを放り出したりできないというのがこの作品らしい結末でした。
スカイ・ワールドという世界の命運に現実世界への帰還、そしてサクヤの命とシリアスなものを背負いながらも、立ち直った後のジュンはただゲームクリアのために攻略法を考えるゲーマーで、良くも悪くも全てはゲーム攻略であるという感触がこのシリーズの空気を決定づけていたものなのかなと。それはその重たいはずの最後の局面にきて世界情勢の変化を戦略SRGへのゲーム性の変化として捉えたり、攻略情報の広い範囲での共有から敵の姿を炙りだしたりといったところで強く感じました。この作品ちょっとばかり振りきっているぞと。
そしてタンクがヘイトを取りつつ、アタッカーがDPSを稼ぎ、ヒーラーが的確に回復を飛ばすというバトルは、大きなレイドになるほど更にネトゲらしさを増していくもの。というか、これだけがっつりと描かれたMMORPG的なバトルのあり方が、小説として読んでもきっちり面白いというのを見せたのはこのシリーズの凄いところだと思います。
そして振り切っているといえば、ジュン周りのハーレムもヒロインとの1対1が基本にありながら一人を選べないから結果的にハーレムというものではなく、完全に1対多の関係で第何婦人までいる文字通りのハーレムグループと化したのがちょっとびっくり。そこに加わるもの、加わらないもの、それぞれの立ち位置と選ぶ道の形も良かったです。ひたすら人生損しそうな子だったエリがもう少し幸せになってくれると言うことありませんでしたが!
あと、シリーズを追いかける中でずっと謎で興味を惹かれるところだった世界観は、なるほどそれは簡単に両立するものだったのですね、という感じの。作者が瀬尾つかさなのだからそれはそうかと納得しつつも、SF的な要素の導入と説明はちょっと強引に感じて、作品としてそこが焦点ではなかったのかなと少し残念なところも。