ラブライブ!μ's Final LoveLive!〜μ’sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜 3/31、4/1@東京ドーム

ファイナルと銘打たれたライブで、ドーム5万人の観客の大合唱とともに「今が最高!」と叫んで終わりを迎えるって、そんなの美しすぎるじゃないかと。ただ、そんな奇跡をここまでも実現させてきたのがラブライブという作品であって、μ'sというグループだったのだと思ったファイナルライブでした。
私はアニメ1期から入っているのでそれ以前のことまではわからないのですが、アニメ以降のラブライブ! そしてμ'sが持っていた空気というかメッセージ性というか、そういうものが見事にこのライブで表現されていたなあと思います。コンセプトにブレがなかった、μ'sの物語を終わらせるためにあった劇場版が上げたトスを、今まさに最高の形で打ち下ろしたみたいなライブ。
アニメ1期から加速した普通の子たちがスクールアイドルとして羽ばたいていく物語は、声優グループのμ'sとしても3rd以降一気に加速して、映画、紅白、そして東京ドーム2dyasへと。やればできる、行けば分かるという勢い、熱気、怖いもの知らずながむしゃらさ。駆け抜ける高揚感とファンミーティングツアーで見せた修学旅行のようなハイテンション。キャストも追いかけるファンも一緒になって何度だってやり直せる青春。そして常にカードとして切り続けていた見えている終わりは、劇場版で限られた時間の中で輝くスクールアイドルという言葉で固められて、この「Final」ライブで昇華されたなあと思います。
劇場版のステージを再現した「僕たちはひとつの光」まで、キャラクターとキャストの同一化は18人のステージという言葉と共に最後まで。これは、作中で伝説となったスクールアイドルμ'sがどうやって時代を駆け抜けたのか、それを体現するステージだったのと同時に、ダンスについて全くの素人から始まった彼女たちが、誰も想像できなかったようなところに来たという到達点でもありました。あの空間には作中のμ'sと声優9人のμ'sの線引なんて無くて、創りだされた空気は、これがラブライブなのだと堂々と見せつけられたような感じ。
半分くらいは新曲の過去最大ボリュームの楽曲数を歌って踊りきったのは、随所に感じられた余裕やお互いをフォローしあう姿に見えた経験と練習の積み重ねであること以上に、この作品と自分の演じたキャラクターに対する愛と執念の賜物だったのではないかと思います。この作品で膝を悪くして長らく踊れない状況が続いた南條愛乃が、最後の最後にあれだけの曲数を踊ったということも含めて、キャスト、スタッフ含めてここまで不可能を可能にしてきたものが結実して、誰も見たことのなかった場所までμ'sを連れて行ったのだなと。平日の16時に5万人を集めて、あの熱気、あのパフォーマンス、そしてあの観客の大合唱の中で最後に円陣を組むメンバーたち。なんというか、まさに「僕たちの奇跡」を「みんなで叶える」物語をこれ以上なく体現した瞬間だったなあと思います。
ファイナルシングルであり、アンコール最後に歌われた「MOMENT RING」というまさにμ'sの終わりを歌うような曲で、『無謀な夢から始まって 奇跡のように全てが繋がって』と歌われるのですが、この奇跡はキャスト含めた関係者がもぎとったものだったのかなと、このライブを見て改めて思いました。偉業というか、二度とはない何かというか、とにかくここ数年間の間、とんでもないものを見せてもらって、一緒に走らせてもらってきたのだなあとしみじみと。そして、この作品をリアルタイムに追いかけることができたことは、幸せなことだったなあと。
それから、作中のμ'sとしてでも歌って踊るユニットとしてのμ'sとしてでもなく、おそらく4/1を過ぎた今でも、例えばスクフェスを起動すれば会うことができるμ'sとして、解散という言葉もさよならという言葉も決して使わず、私たちはずっとμ'sだと宣言してこのライブを終えたこと。そこにあるキャラクターのアイドルとしての不変性に、キャラクターとキャストを重ね合わせて表現されてきたものの真骨頂を見たような気がしました。